7月9日は、いわき地方は「曇り」の予報だった。朝10時から行政区内の事業所を回り、8月に行われる市民体育祭の協賛広告をお願いする。曇りならなんとかなるか――。
当日朝になると、なんとなく外が明るい。といっても、晴れているわけではない。気象会社とNHKの1時間予報をチェックすると、気象会社は曇りのマークが並ぶが、NHKは10時台だけ晴れのマークに変わっている。
現実もその通りになった。格好はつけられない。冷蔵庫で冷やしておいた氷ベルトを首に巻き、スポーツドリンクをバッグに入れて、区の会計さんと一緒に旧道と国道沿いの事業所を巡った。
回る事業所の数は15余り。旧道沿いには商店が密集している。国道沿いはというと、広告を出してくれる事業所はポツリ、ポツリだ。ひたすら歩き続ける。
10時台なので、日陰はあっても狭くて短い。頭上だけでなく、足元からも照り返しがくる。この照り返しがきつかった。
訪ねた先で汗をぬぐい、歩道でスポーツドリンクを飲みながら、なんとか1時間以内に予定の事業所を回り終えた。
われわれ内陸部の人間は、海に近い小名浜ではなく、同じ内陸の山田の記録を参考にして、いわきの気温をはかる。
山田ではこのところ真夏日が続いている。9日もやはりそうだった。小名浜でさえ、8日32・0度、9日31・3度と2日続けて最高気温が30度を超えた。
11時に帰宅すると、すぐ風呂場に直行し、ぬるま湯と水を交互に浴びて汗を流し、ほてった体を冷やした。あとは水を飲んで、午後に街で開かれる会議の時間まで静かに過ごした。
人間だけではない。この暑さは毛皮をまとった犬や猫もこたえただろう。飼い猫ではないが、居候のようなトラの「ゴン」は、このごろ、日中の居場所探しに苦労しているようだ。
わが家の縁側は、もう日中にいる場所ではなくなった。姿が見えないなと思っていたら、隣家の北側スペース(玄関前の駐車場)でゴロンと横になっていた。
9日は夕方、わが家の玄関先に戻って、やはり体を投げだしている=写真。わが家は店~帳場~居間~玄関が唯一、「風の通り道」だ。それをよく知っているのだろう。
近所に黒い柴犬がいた。私が近くを通っても、隣人と認めて吠えるようなことはしなかった。
いつの間にか老いて、散歩にもいかなくなった。それもあってか、酷暑続きのある日、リールが体に巻き付いた状態で息絶えていた。熱中症だったかもしれないという。
梅雨とは名ばかりで、曇りなのに酷暑が続く。今からこうなら、梅雨が明けたら、どうなるのか。ゴンはどこへ避暑に行けばいいのか。
移動できない植物はなおさら耐え切れない。キノコだって、いずれは北へ北へと分布域を移すようになるのではないか。
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