夏井川渓谷の隠居には、県道小野四倉線に沿って敷地の境界に木が植えられてある。
故義父が半世紀前、元は畑だった土地を借りて山側の半分を盛り土し、平のマチにあった家を譲り受けて解体・再建した。
道路との境には、塀の代わりにケヤキその他の若木を植えた。クワの木は畑の名残だろう。これらの木々が50年を過ぎて太く高くなった。
拙ブログで確かめると、原発震災から間もなく1年というときに、電線が引っかかるので電力会社が剪定をしてくれた。
道路に沿って電柱が立ち、伸びてきた架空線が隠居のところでいきなり木の茂みに隠れる。
私ら夫婦が通い始めて最初の剪定が行われてから9年後の令和3(2021)年。今度はこちらから電力会社に連絡して、師走に剪定をしてもらった。
作業は2日がかりで行われた。初日朝の作業開始時間に合わせて出かけ、あいさつをした。そこで現場のリーダーと再確認したのが、切る高さだった。
こちらの希望は「家の軒下あたり」まで。それだと「木が枯れて突然倒れ、そばを通る車にぶつかる心配がある。屋根の上あたりまで残しておいた方がいい」という。
実生で育ったと思われるモミの木が2本ある。「モミは枯れるかもしれない。そのときは根切りをする」ということだった。
2回目の剪定から5年。ケヤキやカエデ、クワの木はまた電線を隠すまでに枝葉を広げている。
モミの木は案の定、立ち枯れた。それこそいつ倒れるかわからない。電力会社に電話して事情を説明すると、担当社員が確かめに来た。ついでにほかの木の剪定もお願いした。
「明かりが届くように区で剪定作業をするが、いいか」という。これも「どうぞ、どうぞ」である。
6月中旬の日曜日、隠居に着く時間に合わせて作業が始まった。やって来たのは3人。3人は先日、隠居の向かいにある私有地で雑木を伐採した。同じ3人で剪定・伐採作業が行われた。
今度も造園業を営む1人がレッカー車を出し、別の1人が木の枝葉を切り、もう1人が木の切断に加わって、あっという間に作業が終了した=写真(上がアフター、下がビフォー)。
自然景観だけでなく人間の住むエリアでも美しい花の景観を楽しんでほしい、同時に、地域の安全のために防犯灯をちゃんとともしたい――。
そんな郷土愛の延長で電柱のすぐそばのモミの木も1本、伐採してくれた。これでお互いの心配がひとつ消えた。
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