自宅の庭で花を育て、「オープンガーデン」として公開している女性がいる。あるところでカミサンと顔を合わせ、親しく話すようになった。
先日、庭から摘んだ花を束ねて訪ねてきた。カミサンが茶の間に飾りながら、ひとこと。「ファザーズデイだって」「おっ!」。思わず感激した。父の日のプレゼントに花とはしゃれている。
今は社会人になった「孫」がいる。その親から毎年、父の日のプレゼントが届く。それを除けば、身内でもない人からプレゼントが届くのは初めてだ。
その翌日だった。「孫」の母親が安否確認を兼ねて、父の日のプレゼント(日本酒の大吟醸)を持参した。花と日本酒を並べてみた=写真。
カミサンがいきさつを説明しながら、小さなピンクの花を指さして。「『ファザーズデイ』っていうんだって」
「なに⁉ 『ファザーズデイ』って花の名前なの? 父の日のプレゼントじゃなかったの?」「違うわよ」
大誤解も大誤解、早とちりだった。少し考えればわかることだ。私はその女性を知らない。当然、向こうも私を知らない。知らない他人から父の日のプレゼントが届くはずもない。
でも、せっかくの「ファザーズデイ」だ。この花について少し調べてみた。ミニバラだという。
確かに花は小さい。直径で1センチちょっとだろうか。ミニバラの花径は3~5センチが普通らしいから、超ミニといってよい。
花は白地の先が淡いピンクに染まったような色合いで、それがスプレー咲き、カップ咲きになっている。
まずはスプレー咲き。1本の茎から複数の花が咲く咲き方だという。カップ咲きは文字通り、ティーカップのような形をした咲き方だそうだ。
花は「ファザーズデイ」だけではない。名前はわからないが、アジサイっぽい花、スイカズラに似た花、ネコジャラシのような花と、いろんな形がある。色も白、サーモンピンク、黄緑、薄紫その他と多彩だ。
これらの花があんばいよく組み合わさって、優しく落ち着いた雰囲気を醸し出している。
事前に「父の日」を意識したことはない。いつもプレゼントが届いて、「そうか、きょうは『父の日』だったか」と気づく。
ところが、今年(2025年)は「ファザーズデイ」のおかげで6月15日が「父の日」であることをあらかじめ承知していた。
前日の土曜日には、昵懇(じっこん)にしている別の知人から、「父の日」のプレゼント(大福)が届いた。
誤解もまた人生である。おかげで「がっくり」きたあとは、甘い日曜日を迎えることができた。
0 件のコメント:
コメントを投稿