いわき市を起点、山形県南陽市を終点とする国道399号は、福島県内では阿武隈高地を縦断するかたちで峠越えを繰り返す。
山への入り口となるのが、県道小野四倉線から分かれるいわき市小川町の三差路(跨線橋)だ。二ツ箭山方面へと折れてすぐ磐越東線をまたぐ。
日曜日に夏井川渓谷の隠居へ行くとき、ここを横目で見ながら直進する。6月1日の日曜日は球技大会があって行けず、翌2日朝、一日遅れで車を走らせた。
すると、その三差路に通行止めの看板が設けられていた=写真。看板には「横川地区土砂崩れ」と理由が書かれていた。
報道や399号を管理する福島県によると、5月29日、いわき市小川町上小川猪小屋地内でのり面の土砂が崩落し、399号をふさいだ。このため、同日午後2時から全面通行止めになっている。
猪小屋とは聞きなれない地名だ。ネットで検索すると、横川集落の一角といってもいい場所があらわれた。それで通行止めの看板に「横川地区」と入っていたのだろう。
2011年の原発震災の直後、看板と同じ場所にパトカーが止まり、警察官が立って、399号を利用する車にストップをかけていた。そのことを思い出した。399号の通行止めはそれ以来だろう。当時のブログがあるので、一部を要約・紹介する。
――大地震から半月余がたち、夏井川渓谷の隠居のことが気になり始めた。3月29日朝、生ごみの入った容器を車に積んで向かったら、小川の高崎で通行止めの看板にさえぎられた。
ひとまずUターンをし、家で少し用をすませたあと、カミサンと一緒に再度、隠居へ出かけた。
高崎から先には行けない。しかし、う回路がある。二ツ箭山のふもとを巻くようにして国道399号を進み、横川から母成(ぼなり)林道に入って江田に出る、いつもの「災害ルート」だ。
399号の入り口で交通警察隊が検問をしていた。福島第一原発から20キロ圏内への立ち入り規制をするのが目的だ。
他県から応援に来たのだろうか。「江田の先に家がある」といっても、「江田はどこか」。う回路の話をすると了解して通してくれた。
通行止めの原因は磐越東線・高崎踏切から1キロ先という表示だったから、おそらく落石除けのロックシェッドがあるあたりで大規模な崩落が起きたに違いない――。
2022年の秋、峠越えの難所を回避するため、内倉湿原の西側に二つの橋を架け、延長2875メートルのトンネルを掘って内倉と戸渡を直結するバイパスが完成した。川内~いわき間はこれでだいぶ時間距離が短縮された。
今度の通行止めが解消されるまで、川内へ行くには以前のルートを迂回・利用するしかない。
わが隠居のある夏井川渓谷から「スーパー林道」を利用すれば、下川内にはすぐ行けるのだが、「けものみち」では勧められないか。
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