台風の影響で雨が降っても、すぐ「危険な暑さ」に戻った。8月7日は立秋だが、このままではほんとうの秋がくるのはずっと先だろう。
猛暑、酷暑、うだるような暑さ――。私が新聞記者だったころは、夏の暑さの「表現」はこんなものだった。
ところが今は、これに「危険な暑さ」が加わった。先の日曜日(8月3日)、夏井川渓谷の隠居でラジオをつけたままにしておくと、ニュースのたびに「命にかかわる危険な暑さ」を繰り返していた。
テレビはどうか。一目で暑いとわかる映像がつくからか、表現としては「危険な暑さ」止まりだった。この映像の有無が、ラジオとテレビの表現の違いになったか。
年寄りは、暑さには弱い。エアコンをつけずに我慢して熱中症にかかり、救急車で運ばれたというニュースが繰り返される。それで亡くなる人もいるから、「命にかかわる危険な暑さ」にはちがいない。
エアコンをつけて涼しい環境で過ごす、水分と塩分を補給する、といわれても、人間は若いときの慣習からなかなか抜け出せない。
私は学生時代、運動部に所属していた。それが尾を引いているのか、暑くてもつい我慢、と自分に言い聞かせそうになる。暑さ対策の始まりは我慢しないことだ。
日中は扇風機を「強」にして回転させ、風を起こしながら、茶の間でゴロンとなっている。本を読む。あきたら「数独」をやる。この二つだけでもすぐ時間がたつ。
数独は3月になって始めた。毎週、新聞に問題が載る。ネットには無料のサイトがある。
紙に9×9のマス目を書き込み、万年筆で問題の数字を書き写す。鉛筆で解くのは、間違ったときに消してやり直すためだ。
5カ月がたった今は、中級レベルまではなんとかこなせるようになった。が、それでもこの暑さである。頭の働きがさらに鈍くなって、ミスが目立ち始めた。
最初は順調に、あるいはゆっくり、そして途中で行き詰まりながらも、なんとか完成する。
その一方で、しょっちゅう失敗もする。どこで間違ったかもわからない。中級編、たまに上級編に挑戦するようになっても、事情は変わらない。
先日の失敗にはのけぞった。最後の2マスまでこぎつけたところで、同じ列に「1」がふたつ並んでいることに気づいた=写真。「あ~、あ~」である。鉛筆で書き込んだ数字をすべて消し、また一からやり直した。
カミサンが薬をもらいに行った薬局でいわれたそうだ。熱中症予防を心がけるように、「異常な暑さ」だから――。
確かに異常な暑さではある。「経験したことのないような暑さ」だし、「過去に例のない危険な暑さ」だ。
8月5日は午後、室温が36度を超えた。さすがに耐えられないので、近所にある故義伯父の家に避難し、エアコンをつけて文章読みの「仕事」を続けた。こんな暑さでは息抜き(数独)だって難しい。
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