2014年6月10日火曜日

二十日大根から始める④

 夏井川渓谷の隠居(無量庵)まで車で30分。“自由業”になれば、たびたび出かけられると思ったが、現実は逆だった。現役のころは当たり前だった、週末1泊2日の“定留”がほとんどできない。日曜に予定が入れば、「週に1回」が「半月に1回」になる。

 6月8日の日曜日が、その「半月に1回」だった。早朝、市民総ぐるみの清掃活動が展開された。そのあと、行政区の役員が参加して、国道6号の歩道に覆いかぶさる木の枝を剪定した。事務的な作業も含めてすべてが終わったのは9時すぎ。「さあ、あとは自分の時間だ」と山里へ直行した。

 全面除染され、山砂が敷き詰められた隠居の庭で、家庭菜園を再開した。5月4日に二十日大根とカブの種をまいた。それから1カ月余り。6月1日は、朝から地区の球技大会が行われ、反省会から二次、三次会と流れて、隠居へ行くどころではなかった。

 半月ぶりに見る二十日大根は、根元が赤くふくらんでいた。間引きを兼ねて10個余りを収穫した。「三十日大根」になったのは、種のベッドが山砂だったからだろう。栄養もなければ、キメも粗い。育ちにくかったに違いない。
 
 毎回そうしているように、まず、うねのスギナを取り除く。そのあと、育った株から収穫・間引きをした。割れの入ったものもあった。夜、さっそくサラダにして食べた。みずみずしい。が、味はいまいちだ。淡白というか、無味というか。こんなんだったっけ、二十日大根て?
 
 カブも育ちが遅い。ようやく本葉が20センチほどになってきたが、まだ基部がふくらむ気配はない。
 
 土づくりは始まったばかり。深耕したり、堆肥を加えたりと、やることはある。食卓の二十日大根から次の手がみえてきた。

 二十日大根はまもなく「四十日大根」になる。ガソリンをかけてでも、収穫に行かないと時期を失する。「週2だな」。仕事の一服を兼ねて車を飛ばす楽しみができた、と思えばいいか。

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