5月の連休明けに糠床を新しくした。その1カ月後。食塩の量と、かき回しが足りなかったのか、漬けたものに少し異臭(シンナー臭)が感じられた。糠床をかき回したときにも異臭が立ち昇る。
これは一大事だ。すぐ食塩を加え、朝だけでなく夕方も糠床をかき回すようにしたら、次第に異臭が薄れ、6月中旬にはようやく糠床らしい香りが戻ってきた。
キュウリは漬かりが早い。それだけに異臭が染みるのも、消えるのも早い。糠床の状態をストレートに映し出す。
この時期、キュウリは藤間(平)の直売所から買って来る。去年(2025年)までは普通にスーパーから購入したが、直売所にはもぎたてが並ぶ。
1袋5本前後。これを数袋買う。といって、私はアッシー君、そして買い物バッグ担当だ。
わが家で食べきれない量を買うのは、カミサンがお茶を飲みに来た友達にお福分けをするためだ。
朝、買ってきたキュウリをすぐ2~3本、糠床に入れる。それとは別に、晩酌時に味噌で生のキュウリを食べる。
新鮮なキュウリは先端をカットすればわかる。断面がみずみずしい。そのうえ、色が緑っぽい。水分がたっぷり含まれている証拠だ。
糠漬けにする材料は私が選ぶ。直売所にカブがあったときにはカブを、今はキュウリとニンジンを棚から取る。
異臭の付いたキュウリと大根を食べきったあと、冷蔵庫で保管するために利用していたパックを洗ってまた使っている。
そうすれば、パックに残った糠味噌の異臭が新しい糠漬けに移る心配はない。健康になった糠床からキュウリを取り出して食卓に出す=写真。それだけで楽しい。
あとは好みの味をつくるだけだ。カミサンは少し時間がたって塩味が強くなった古漬けタイプを好む。私はその逆で、あっさりした糠漬けが好きだ。
ドクターからは塩分を取り過ぎないように言われている。が、どうもこの時期はキュウリの糠漬けがやめられない。ご飯のおかずだけでなく、晩酌のつまみにもする。
夏井川渓谷の隠居の菜園で栽培している昔野菜の「三春ネギ」は、お福分けをするほどの量はない。
代わりに、キュウリの糠漬けならお福分けができる。漬ければ漬けるだけ数が増える。
先日、若い友達が来て、わが家の糠漬けの話になった。何年か前だったか、キュウリの糠漬けをあげたら「うまかった」という。
そのおだてに乗って、人にあげてもいい糠漬けをつくろう――それが健康な糠床を取り戻す原動力になった。
糠床自身が味をつくってくれる。私は朝晩、糠床をかき回すだけだ。毎日のルーティンのひとつでしかない。難しいことではない。
今度飲み会があるときは、胸を張ってキュウリの糠漬けを出せる。朝晩、糠床に向き合うのは、そんなもくろみもあるからだ。