福島県知事選(いわき市は県議補選も)の投・開票が行われた10月25日・日曜日は、朝7時過ぎに投票をすませて夏井川渓谷の隠居へ直行した。
天気が思わしくないので、着くとすぐ畑の隅に生ごみを埋めた。ごみバケツを持って、草を踏み分けながら畑に行くと、急に前方からバタバタという羽音がして、大きな鳥が飛び立った。
キジの雄だった。キジは一直線に対岸の森へ向かい、黄葉(紅葉にはまだ早い)が進んだ木々の間に姿を消した。
ずっと下流、わが生活圏にある夏井川では、ときどき河川敷でキジの雄を見かける。草が茂っているから身を隠しやすい。雌を従えて子孫を増やすにはうってつけの場所である。
そのキジがわが隠居の庭に現れるとは! 下の庭=写真=と、さらにその下にある岸辺の空き地の草が刈り払われた。クマ対策も兼ねる。
隠居の庭の草も刈られたが、伸びるのも早い。それに、ふだんは人がいない。身を隠しながらエサあさりができる場所としては好都合なのだろう。
そこへ急に人間が現れたものだから、キジは驚いた。いや、人間も驚いた。隠居へ通い続けて30年余り。庭で初めてキジに遭遇したのだ。
自然界では予想もつかないことが起きる。人間界も同じで、同じ日々の繰り返しながら「非日常」が待っている。
選挙はその典型だ。神谷地区では小学校のほか、中学校の体育館が投票所になる。地区内にいる8人の行政区長が2カ所の投票所の管理者や立会人を務める。
最寄りの投票所は、以前は管理者が市役所OB、立会人の1人が区長という慣例だった。
ところが、近年はOBの都合がつかないのか、管理者も区長が務めるようになった。それで回ってくる順番が早まった。
私は、今年(2026年)2月の衆院選に投票立会人を務めた。それからすぐなので、担当の区長の激励を兼ねて投票所へ足を運んだ。
順番では、2回の選挙をはさんで3回目に管理者か立会人の役割が回ってくる。が、このサイクルが早まることもある。
今年の総選挙の前は市長選(2025年9月)、その前は参院選(同年7月)だった。参院選では管理者を務めた。わずか1回、それも半年をはさんでまた役割が回ってきた。
さて、選挙権は国民の権利である。投票をすませたあとは日曜日でフリーになる。せいせいして隠居へ行くと、キジが飛び出した。
それだけではなかった。草むしりを兼ねてネギのうねに土寄せをしていたら、そばの道路から声がかかった。マチに住む知人である。
さらにそのあと1人、また別の1人からも声がかかった。夏井川流域の会の旧知のメンバーだ。
毎年、区間を定めて夏井川沿いウォーキングを実施している。今回は渓谷の牛小川(小川町)から夏井川に注ぐ支流・鹿ノ又川(川前町)付近まで、県道約5キロを歩くということだった。
午前9時、隠居の隣にある電力の社宅跡地を出発して上流へ向かった。マチに住む知人たちと渓谷でバッタリ、なんてことはそうあるものではない。