ユウゲショウ。漢字では「夕化粧」と書く。帰化植物である。この花を最初に見たのは7年前。わが家の前の道路の縁に咲いていた。それを取り上げたブログ(2019年8月13日付)がある。一部を抜粋して再掲する。
――月曜日の早朝6時前、ごみネットを出すと、車道の縁石の隅にピンクの小さな花(直径1センチ強)が咲いていた。初めて見る花だ。歩道側、アスファルトの切れ目にも同じ花が咲いている。
車道側の縁石には砂が少し溜まっているだけだ。植物にとっては苛酷な環境だ。大きく育つ草は、とてもじゃないが根を張れない。水分だって十分取れない。そんなところに、丈の低く小さな草が根づいた。
「夏 赤い花」で検索すると、それらしい花の写真に出合った。「ユーゲショウ」という名が付いていた。
国立環境研究所の「侵入生物データベース」などによると、北米南部~南米原産で、明治時代に移入した。市街地・路傍・堤防などに生息し、昼から夜にかけて開花する。
データベースの地図は、関東以西が赤く染まっている。東北は無印だが、いわきではすでに生息している。
「侵入マップ」が北へと赤くなりつつある? 「かわいい花だね」と、喜んでばかりはいられない――。
この花が夏井川渓谷の隠居の庭にも咲いていた=写真上1。5月下旬に気づいた。隠居には30年以上通っているが、ユウゲショウが庭に現れたのは初めてだ。いわき市内でも生息範囲を広げているのだろう。
では、平地のわが家の周辺はどうか。前に咲いていたごみ集積所では、カミサンがときどき草をむしる。
それでユウゲショウは消えた(そう思っていたが、およそ10日後にチェックすると、ちゃんと花が咲いていた)。
南隣の故義弟の家までの砂利道はどうか。思い立って見たら、車のわだちの間の草地に、しおれたような、これから開花するような、なんともわからない形の花があった=写真上2。
ちゃんと4弁の花を咲かせているものもある。翌朝また見たが、しおれか、つぼみかは判断できなかった。
ではと、次の日も観察し、それでもわからないので翌日また観察した。それでやっと、しおれらしいことがわかった。
ついでに近所の道端や花壇なども見て回る。毎朝通っている接骨院では、花壇にこの花が群れ咲いていた。
環境研究所の地図は7年前と同じままだ。本州中部~西日本が赤く、琉球列島と東北・北海道は白い。
東北の南端であるいわき市ではすでに侵入し、平地から山地へと分布範囲を拡大中だ。私の頭の中では、いわきの地図はもう赤く染まっている。