もう6月。1年の半分、上半期の最後の月である。5月後半から、ネギ苗を定植する日を探ってきた。
夏井川渓谷にある隠居の菜園で昔野菜の「三春ネギ」を栽培している。早ければ5月末、遅くとも6月前半には苗を定植する。
隠居へ行くのは日曜日。定植のために平日に出かける手もあるが、キュウリの収穫以外では実行したことがない。
5月10日では早すぎる。17日も同様で、菜園の草むしりだけにとどめた。あとは24日と31日だ。平地の塩(平)のネギ畑を参考にしよう。毎年、そうしているのだから――。
先の金曜日(5月29日)夕方、図書館から本を借りた帰り、夏井川左岸の堤防を利用した。
ネギ栽培の参考にしているネギ畑を見ると、広い畑に何列もの溝ができて、ネギ苗が植えられていた。人が3人もいるところを見ると、この日に定植作業をしたのだろう。それで腹を決める。5月31日の日曜日は三春ネギの苗を定植しよう。
定植のためには前年の秋から準備をする。三春ネギはいわきの平地のネギと違って「秋まき」だ。まずは10月10日を目安に種をまく。
苗床は畳4分の1くらいのスペースで十分。水をたっぷりやって土をならし、薄い板を使って深さ3~5ミリの溝をつくり、黒い種を筋まきにする。まいたら溝の両側から土をかぶせて、種が雨で露出しないようにする。
次の日曜日には、種のすぐ上の土が筋状に割れてくる。その割れ目から発芽しつつある緑色のネギ苗がのぞくようになる。
寒くなるともみ殻を敷いてやり、追肥を何度かすれば、春にはぐんぐん丈が伸び出す。今年(2026年)は生長が順調だった。
去年は手を抜きすぎて苗の養生に失敗した。育ちが悪く、定植してもすぐ苗がとろけた。結局、去年は三春ネギを食べずに終わった。
ネギは越冬し、春を迎えてからネギ坊主をつくる。その中に種が眠っている。今年はネギ本体がないので、ネギ坊主も、種もない。
ネギの種は、冷蔵庫に入れておけば2年は持つ。その種が少し残っている。今年は秋にその種をまいて苗を育てるしかない。そうやってネギ坊主をまたつくる。そこまでやらないと種は途切れてしまう。
ネギ苗は、育ちのいいのは大人の小指くらいまで太くなっている。むろん、鉛筆くらいのもの、それより細い未熟なものも多い。
スコップで溝を切り、浅めに太い苗を並べて軽く覆土する=写真。隠居の庭は浅いところまで地下水が上がることもあって、梅雨に雨が多いと根腐れを起こす。それを防ぐために、浅く植えて土を高く盛るようにしている。
定植苗より細い苗は苗床をならして仮植えし、芽ネギとして夏場に収穫する。自家消費だから細くても捨てる必要はない。
ということで、わが隠居での定植作業は、早朝の2時間ほどで終了した。日中にずれこむと、それこそ熱中症になりかねない。
5月最後の日にネギ仕事が済んで、せいせいした気持ちで6月を迎えることができた。