日曜日は夏井川渓谷の隠居で土いじりをする。そこまでは車で40分ほど。ドライブ中に必ずチェックする生きものがいる。
小川の平地・三島の夏井川にいる残留コハクチョウの「エリー」だ=写真(7月5日、カミサンが撮影)。
エリーは、早朝はやや上流の中洲かそば(右岸)の砂地で休んでいる。7月19日は少し増水して、中洲が水没していた。姿がなかった。流されたか? そう早とちりする「伏線」が実はあった。
家を出るとすぐ市庁舎の駐車場へ行った。駐車場の西端にリサイクルボックスがある。家に届いた古着をそこへ運んだあと、国道399号(途中で県道小野四倉線と重複)を北上した。
平市街を抜け、平窪へと接続する磐城橋を渡りながら、上流をチラ見すると右岸の浅瀬に白く大きな鳥がいた。
シラサギなら体は縦に長い。脚も、首もそう。ところが、その鳥は横に長く、増水した浅瀬に浮かんでいるような感じだった。首も長い。つまりはハクチョウ体形。まさかエリーではないだろうな?
半信半疑で小川に入り、川と並走する三島でエリーを探したら、いない。それで、10分ほど前に見た平窪の白い鳥がエリーに重なった。
5年前、やはり三島に残留したコハクチョウがいた。白鳥おばさんは「エレン」と名付けてエサをやり続けた。このエレンが大水で下流に流されたことがある。それを思い出した。
エリーの名前も白鳥おばさんが付けた。私ら夫婦も白鳥おばさんにならってエリーと呼んでいる。エレンを思い出して、これから大変だぞ――夫婦でエリーを案じたのだった。
1時間ほど隠居の菜園で草むしりをし、汗でぐしゃぐしゃになったシャツを着替え、一休みしてから隠居を離れた。
帰りは三島に車を止めて川をチェックし、エリーがいなければ平窪でも探すことにした。
磐越東線の跨線橋を過ぎると、川の流れに沿って道は大きく右にカーブする。そのカーブが終わって道路と夏井川とが並走するあたり、眼下の右岸に白く大きな鳥がいるのが目に入った。
道路の山側にある100円野菜の無人販売所に車を止めて、ガードレール越しに川を見る。
エリーだ。よかった、いた! 流されたわけではなかった。朝は草にまぎれて姿が見えなかったのだ。
すると、平窪のあの大きな白い鳥はシラサギか? 水中の魚を狙うとき、サギは胴体を水平に保ち、首を曲げて水面に近づける。そんな狩猟中の一瞬を見誤ったのかもしれない。
なんであれ、エリーは三島にとどまっていた。これからも大水と暑さの試練は続くだろうが、なんとか頑張ってくれよ。
勝手にエリーを案じていたジイサンは、昼前、いつもの浅瀬で一休みするエリーに、勝手に安心してヤレヤレとなった。