ぞろぞろと途切れることなく行列が続く。かたまりになって移動する習性があるのだろう=写真。
引っ越しをするアリを検索すると、アミメアリにたどり着いた。3年前の6月中旬、やはりアミメアリと思われる集団移動を目撃して、ブログに書いた。
――在宅ワークにあきて庭に出ると、何か変なものが目に入った。わが家と隣家の間には車1台分の砂利道がある。奥に家がある。
その小道をアリの行列が斜めに横断していた。始まりはどうやらわが家の庭の電柱の根元あたりだ。
行列は隣家のコンクリート塀の根元に沿ってのび、隣家の玄関前の駐車場あたりで見えなくなった。
隣家は、ふだんは空き家だ。住人が亡くなってしばらくたつと、車も処分されて、空きスペースになった。屋根が付いているので、直接、雨が地面にしみることはない。
そんな環境を見つけたわけではないだろうが、電柱の根元からはざっと10メートルは離れている。
アリはかなり小さい。ときどき移動するというアミメアリだろうか。電柱の根元には甕(陶器)のかけらが積み重ねてある。かけらをはがすと、アリたちがわんさといた。
どうも6月になると、アリの引っ越しが見られるようだ。自分のブログを確かめると、震災の翌年(2012年)、やはり今ごろ、アリの行列を目撃している――。
今年(2026年)はこのアリの引っ越しを、同じところで2回目撃した。それだけではない。砂利道の境にあるススキのそばに車を止めている。
車を運転すると、ダッシュボードの両サイドにある空気吹き出し口からアミメアリが何匹も出てきた。これが数日続いた。
アミメアリの引っ越し先は同じ地面とばかり思っていたが、そばに止まっていた車も雨風をしのぐにはぴったりと見て、引っ越してきたのがいたのだろう。
さすがに運転中はアリに気を取られるわけにはいかない。信号待ちのたびにアリを外へ振り払い、振り払いしているうちに姿を見なくなった。これは引っ越し先を間違えたと悟って、また引っ越したに違いない。
と、ここまで書いてきて、図書館から借りたアリの図鑑(ハンドブック)でアミメアリの生態をおさらいした。
このアリは定住巣をつくらず、石下や倒木に野営の巣をつくり、ひんぱんに移動する、とあった。
ならば、である。カミサンがそばのススキを刈り払ったら、根元にアリの巣穴がいくつも現れた。やはり小さなアリが出入りしている。これはアミメアリとは別の種類のアリということなのか。
巣穴の周りが砂で盛り上がっている。そんな習性を持つのは同じ小さなアリのトビイロシワアリということだが、むろん小さくて識別は難しい。
アリにもいろんな種類がある。庭のアリも1種類ではない。図鑑をながめてはただただアリ界の奥深さに感じ入るばかりだ。