2024年4月2日火曜日

糠漬けを再開

                      
 この冬は、糠床を目覚めたままにしておいた。何も漬けない。でも、朝起きると、糠床をかき回す。糠みその冷たさはこたえたが、いやになるほどではなかった。

例年、冬になると、糠床の表面に食塩の「ふとん」をかぶせる。塩分で空気を遮断し、カビの発生を抑えて、糠床を「冬眠」させる。

その間は、糠漬けではなく、白菜漬けを食べる。早ければ11月下旬、普通は師走がきてから白菜を2玉手に入れ、1玉を8つ割りにして漬ける。

この冬は5回、白菜を漬けた。最後の白菜漬けが残り少なくなった3月下旬、すんなり糠漬けに切り替えられるよう、カブを漬けることにした。

スーパーへ行くと、カブは売り場になかった。地場野菜を扱う直売所にもなかった。やはり、まだ早いようだ。

最初の糠漬けはカブ、次はキュウリ――と決めている。ならば、「慣らし運転」だ。あまり気が進まなかったが、キュウリを買ってきた。

キュウリの前にカブを漬けるのは、いわきの歴史や民俗、生業などに詳しかった故佐藤孝徳さんの言葉が頭にあるからだ。

「キュウリは、八坂神社の祭りが終わるまで食べない」。つまり、7月。露地栽培では確かに、そのころからキュウリが実って食べられるようになる。

しかし、ハウス栽培が主流になって、1年中キュウリが出回るようになった今は、冬でもキュウリが、糠漬けが食べられる。

で、糠漬けを再開するときには一種の戒めとして、孝徳さんの言葉を思い出し、まずは店頭に並び始めたカブを漬けるようになった。

カブは大根よりも早く漬かる。さらに、ほんのり甘みがあってやわらかい。体が覚えたルーティンでもある。

昔のブログに当たると、白菜漬けから糠漬けに切り替えるのは4月末~5月初めの大型連休だった。そのころにはカブも売り場に並ぶ。

3月末に糠床の冬眠を破るのはちょっと早い。というより、このところ早めに白菜漬けから糠漬けに切り替えるようになってきた。

冬も糠床をかき回してきたのは、そんなに手が嫌がるほど冷たくないからだった。これも温暖化の影響だろうか。

試し漬けのキュウリはまず12時間、糠床の中に置き、次の12時間は表面から見えるようにして塩分が浸透するのを待った。

丸一日漬けて小皿に盛った=写真=が、味はいまひとつだった。まだ寒くて乳酸菌の活動が鈍いのか、あるいは塩分が足りないのか。

たぶん、かきまぜていただけなので、乳酸菌にはえさ不足だったのだろう。うまみもそれで足りなかったのだ。

 次は大根を10センチくらいの長さで4つ割りにし、一昼夜台所で陰干しをしたのを漬けた。キュウリと同じ24時間で取り出した。かみごたえはよかったのだが、やはり塩分が足りない。

 3回目は、スーパーで買い物をしたときに、小さなカブが並んでいたので、それを買って漬けた。併せて食塩を追加した。味はどうか。きょう(4月2日)の朝食に出すので、その結果を追記しよう。

※追記=けさ、比較的やわらかくなった1個を取り出し、包丁を入れてみた。塩分はまあまあ、甘み・うまみはちょっと弱い、といったところか。小さかったのはたぶん、間引きカブだったからだろう。

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