2014年6月19日木曜日

二十日大根から始める⑥

 なぜだかわからないが、「糠漬け」というだけでカブが思い浮かぶ。どこかで食べたカブの糠漬けがやわらかくておいしかったこと、冬眠から覚めたばかりの糠床で最初に漬けるのがカブだったことが影響しているのかもしれない。
 
 夏井川渓谷にある隠居(無量庵)で、18年前に家庭菜園を始めた。震災後は「三春ネギ」以外の野菜の栽培を中断した。去年(2013年)冬、庭の除染が行われ、表土をはぎとったあとに山砂が敷き詰められた。菜園は消えたが、耕土はまだ山砂の下に眠っている。耕土を掘り起こして二十日大根とカブの種をまいた。

 二十日大根は、1カ月がすぎて収穫できるようになった。カブは先の日曜日(6月15日)に初めて収穫した=写真。コカブである。大きいので5センチほど。栄養分のない山砂のために生長が遅れたのかもしれない。すぐ糠漬けにした。半日でつかった。

「二十日大根から始める」で頭に描いたのは、つくる・加工する・食べる、の三つ。「6次産業化」をもじっていえば「6次生活化」の時間を増やす、少しでも「プロシューマー」(生産消費者)の時間をもつ、ということだった。でないと、原発事故に暮らしの楽しみまで奪われてしまう。負けてはいられない。

 カブの糠漬けはまあまあだった。いうまでもないことだが、「自産自消」が隠し味になっている。

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