2013年10月11日金曜日

一気に秋がきた

夏井川でサケのヤナ漁が始まった=写真。9月中旬、鮭増殖組合がヤナをつくりかけたときに台風が福島県内を縦断し、大水で作業がストップした。ヤナが流されたのではないか。ときどき車で堤防の上を行き来する人間には心配だったが、今はいつものようにヤナが川を遮り、いつものように組合員が投網を手繰り寄せている。

サケのヤナ場は、「目に見える秋」のひとつだ。次に「目に見える秋」はハクチョウ、そう思っていたら、おととい(10月9日)、会津の猪苗代湖に第一陣が飛来した。テレビのローカルニュースで知り、きのう朝の県紙で確かめた。となると、浜通りの夏井川に現れるのも時間の問題だ。

きのう夕方、カミサンを車に乗せて街へ出かけた。帰りは5時過ぎになった。まだ少し明るい。夏井川の堤防を利用して戻ることにした。「まっすぐ帰ってよ」という声を無視して、堤防の上を進む。と、新川との合流点にいた、ハクチョウが6羽。カミサンが歓声を上げた。写真を撮ったが、ボケ・ブレがひどい。撮影はあきらめた。

さらに堤防を先へ進むと、すぐそばの小さな社の境内で四季桜が咲いていた。満開に近い。河川敷ではセイタカアワダチソウの黄色い花が波打っていた。

そういえば、キンモクセイの香りをかいだのはほんの数日前だ。近所から戻ってきたときに、隣家の庭から漂ってきた。一気に秋がきた。

ちょっと北にある原発では連日、汚染水漏れのトラブルが起きている。いわきでは、いや福島県内では、住民が不安をかかえて日々を暮らしている。そんな“異常な日常”になってしまったからこそ、季節のシグナルは瞬時の慰めになる。

0 件のコメント: