2013年10月5日土曜日

ワタの実がはじけた

わが家の庭に鉢植えのワタがある。夏にオクラのような花が咲き、9月に入って白い綿毛の詰まった実がはじけた=写真

津波や原発事故、あるいは後継者不足で放棄されている農地を少しでも再生しようと、いわき市のNPO法人「ザ・ピープル」が昨年、「オーガニックコットンプロジェクト」を始めた。カミサンがザ・ピープルに関係しているので、今年の初夏、余ったポット苗が届いた。それを鉢に移し替えたのが育ち、花が咲いて実がなった。

玄関前にいくつかある鉢がひとつ増えたにすぎない――最初はそんな感じだった。が、ワタは意外と生長が早い。丈が50センチくらいになったときに、なにかの幼木のような印象を抱いた。わりと茎がしっかりしている。

ワタはアオイ科の植物。オクラも同じアオイ科だ。同じ庭のフヨウやムクゲも似たような花をつけると思ったら、やはりアオイ科だった。

それはともかく、ザ・ピープルのオーガニックコットンプロジェクトは農地再生と併せて、綿花を使ったTシャツなどの付加価値の高い製品、つまり売れる仕組みをつくりだすのが狙いだ。

鉢植えのワタを見ながらの感想だが、このプロジェクトはいわき市民にどのくらい知られているのだろう。ワタって何?コットンプロジェクトって何?というのが、市民のおおかたの反応ではないか。

首都圏の人々が被災地応援ツアーのなかでボランティアとして綿花栽培を手伝う。と同時に、市民にもこれまで以上にプロジェクトに参加してもらう。事業の裾野を広げるための第一歩として、ポット苗を家庭に配るのもあり、ではないかとも思った。

自然相手のプロジェクトだから、机上で計算したようには事は運ばない。必要な綿花の量を確保するとなると、大変な努力が要る。最後は“市民力”だ――ザ・ピープルの活動を、カミサンを介して少しは知る人間には、そう映る。

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