2014年7月5日土曜日

新谷窯展

 いわき市大久町に工房を構える新谷夫妻の陶展がきのう(7月4日)、平・一町目の坂本紙店2階フリースペースで始まった。7日まで。

 新谷夫妻がいわきで最初に陶展を開いたのは、たしか昭和50年代前半だ。平・南町の草野美術ホールが会場だった。そこで個展を開いた作家の何人かとは、今もつきあいがある。新谷夫妻もそうだ。
 
 日用雑器に徹していて、値段が手ごろなために、作品展のたびになにかひとつは買い求めるようにしている。最初に呉須(ブルー)の馬上杯を買った。ぐい飲みを集めていたので、その延長で風変わりな酒器に手が出た。
 
 草野美術ホールが閉鎖されたあとは、いわき駅周辺の貸しスペースを会場に、毎年作品展を開いている(震災後は一時休止)。今年は坂本紙店が会場だ。震災後、解体・新築された同店にフリースペースができたことを、夫妻の案内状で初めて知った。
 
 このごろは、ぐい飲みより豆皿に興味がある。年齢とともに酒量が落ちた。一方で春~晩秋の日曜日、にんにく醤油でカツオの刺し身を食べる習慣は続いている。去年はそれで、刺し身の醤油皿に赤絵の角皿を買った。どの豆皿を使うか、選ぶ楽しみができた。
 
 新谷窯の特徴のひとつは呉須の塩釉(えんゆう)だろう。塩釉は文字通り、塩を釉薬に使う。窯で作品を焼き上げる過程で並塩を投入すると、ガス化したものが焼き物に付着して化学反応をおこし、ダークブルーの地にシルバーメタリックのような模様が生じる。その色合い、紋様が面白い。来展者の反応も同じらしく、欲しいと思った五寸皿、六寸皿すべてに「赤ポチ」がついていた。
 
 ならば――。糠漬けのキュウリやコカブを入れる小鉢を買い、早速キュウリと大根を盛ってみた=写真。色合いからしてキュウリが似合っている。なるほど、器もごちそうのうち、だ。

0 件のコメント: