庭のプラム(スモモ)の赤い実が落果し、甘酸っぱい香りを発散している。手が届くところはとっくに収穫した。そばのブロック塀に上がれば、ずっと上まで摘むことができるが、完熟一歩手前の赤黄色い実は少ない。
ブロック塀に手をかけて、上がったものかどうか思案していたら、塀の陰の地面にキノコのかたまりがあるのが見えた=写真。
ブロック塀の向こう側は義弟の家の庭だ。わが家の庭の続きのようなものでもある。切り株からサマツモドキがびっしり生えていた。図鑑には食用、体質によっては中毒する、とある。食べたことはない。
30代に平の石森山で見たのが最初だった。3・11後はさっぱり森を巡らなくなった。巡っても、そこにキノコがあっても、採ることを封印している。楽しみが消えた。
庭の切り株の本体は確かカイヅカイブキだ。地球温暖化の影響か、台風や低気圧が凶暴化している。その影響で何年か前、カイヅカイブキの根が揺すられ、木が傾いた。近所の造園業者に頼んで根元から切ってもらった。
キノコの胞子は、森だけではない、街にも飛び交っている。その胞子がたまたま切り株に定着した。年を追って切り株の分解が進み、今年はついにキノコが発生した。森を巡らなくなった人間の代わりに、森のキノコがわが家へやってきた。
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