千石船を見に小名浜港へ。ついでに、いわき・ら・ら・ミュウ2階「ライブいわきミュウじあむ」で「いわきの東日本大震災展」を見た。展示の仕方が独特だ。段ボールで仕切られた避難所の様子を再現している。一個の「おにぎり」、携帯用の水タンクも展示している。それらを見ただけで3・11当時とその後の記憶がよみがえる。
わが古巣(いわき民報)についてもコーナーを設けて紹介した=写真。「地震発生時からいわき市内各所で、記者たちは危険をかえりみることなく取材を続けた。変わり果てた海沿いの町にカメラを向けた時、涙でファインダーが曇った。泣きながら社に戻り、記事を書く記者もいた」。全文を紹介すると感傷過多になるので、ここらで止める。
展示方法・構成が独特なのは、開催期間が半年余(2月8日~8月31日)と長いからだろう。まさにミュウジアム(博物館)の「常設展示」といったおもむきだ。
いわき観光共同キャンペーン実行委員会(いわき市・いわき商工会議所・いわき観光まちづくりビューロー・いわき湯本温泉旅館協同組合・スパリゾートハワイアンズ)が主催し、いわき民報が特別協力をした。
チラシにこうあった。「あの日、いわきで何が起こったのか。刻み込まれた記憶の中には、『忘れてしまいたい』辛く悲しいこと、絶望があった。忘れたくとも『忘れられないこと』を抱えながら、生きていく人々の姿……。それを支えるのは、多くの人々によって少しずつ灯されていく希望の灯だ。」
その続き。「今、自分たちに、生き残った者として何ができるのか。そこには、『忘れてはいけないこと』がある。近い将来、自分の身に降りかかるかもしれない災害……。震災時のいわき、今のいわきの姿を見つめることで、冷静にそして勇気と英知を持って立ち向かい、助け合うことができる。」
「いわきの東日本大震災展」は残すところあと1カ月。「忘れてはいけないこと」を再確認するためにも、月遅れ盆に帰省した身内や友人・知人に「あの日」のことを知ってもらうためにも、百聞に勝る一見を勧めたい。
2 件のコメント:
震災2ヶ月後、知り合いに連れられ薄磯の集落に行った。荒れ果てた光景にとめどなく、恥ずかしげもなく涙が止まらなかった。
知り合いは地元の知人・友人など200人が亡くなったと途方に暮れ、その年の新盆で100件回るとも話していた。
痛みは消えない。
福島県に応援に来た警察の出動式の訓示に奮い立たされる。
人として生まれ
男として育ち
自ら警察官の困難な道を選んだ
その諸君だからこそ
預けられた任務である
現場は困窮している
助けを求めている
必ず任務を果たせ
お役にたて
現場では自活を第一とし
被災者以上の処遇を求めてはならない
そして全員無事に帰任せよ
任務を果たし全員の無事の帰任を待っている
大分県警察本部長
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