2025年8月9日土曜日

眼鏡のレンズを新調

                                 
   今度は目か。何度も引用して恐縮だが、江戸時代中期に生きた尾張藩士で俳人の横井也有(1702~83年)の狂歌が頭をよぎった。

「皺はよるほくろはできる背はかがむあたまははげる毛は白うなる」「手は震ふ足はよろつく歯はぬける耳は聞こえず目はうとくなる」

 先日、遠近両用レンズを新しくした=写真。この何年か、度数が合わなくなっていた。車を運転するときには眼鏡をはずした方がかえってよく見える。しかし、いつまでもそんなことをしているわけにはいかない。

 レンズが合わなくなっていると感じたのはいつだったか。2年前、後期高齢者として初めて運転免許を更新した。そのころから眼鏡をはずしたり、かけたりしていたのを覚えている。

 そうこうしているうちにレンズの曇りが取れなくなった。眼鏡用の布でふいても、ティッシュペーパーでやっても、きれいにならない。きれいにしようとすればするほど、曇りが拡大するようだった。

レンズはコーティングされている。そのコーティングがはがれるとそうなる、とネットにあった。

新しいレンズにしよう。7年前に眼鏡を新調した店で視力を計り、それに見合った遠近両用のレンズを選ぶ。

眼鏡の汚れを取るにはクリーナーでシュッとやり、指で軽く回したあと、ティッシュペーパーで泡をふき取る――。

最初からティッシュペーパーでこするのではなく(それ自体レンズにはよくないそうだ)、泡をふき取るのに利用する。スタッフが実演するのを見て、なんとレンズによくないことばかりしてきたことか、と反省する。

也有の自虐ネタではないが、肉体の老化が止まらない。今年(2025年)は歯の治療をした。経過観察中の歯もある(いずれまた行かないといけない)。

それに続く目だ。新しいレンズにすると、驚くほど世の中がはっきり見えた。ピントが細かいところまで合って明るい。

「プ」と「ブ」、「6」と「8」と「9」がはっきり区別できる。すると、頭の中のもやもやも晴れた。

次はなんだ? 也有の狂歌を反芻していたら、すぐ思い当たった。「耳」である。「毛は白うなる」である。

ひげは3日ごとに電気カミソリを当てる。若いころは毎日剃った。日をおくと、もみあげからあごにかけて、すぐ黒くなった。それが3日たっても目立たない。

ちょっと伸びたのを鏡で見たら真っ白だ。これでは昔話に出てくる「翁(おきな)」と同じではないか。

白いひげは、日常生活には別に影響がない。が、耳はトンチンカンの原因になる。別用のついでに立ち寄った90歳の「お姉さん」に、カミサンが耳の聞こえがおかしい話をした。すると、「長生きするわよ」。なんともうれしいような、悲しいようなコメントが返ってきた。

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