2014年9月10日水曜日

アレチウリとヒガンバナ

 夏井川の堤防は、街や海への往来に利用する「もう一つの道」。季節の移り行きを実感するフィールドでもある。

 散歩をしていたころは、その移り行きを「日単位」でとらえることができた。何月何日にウグイスの声を聞いた、ツバメを見た、オオヨシキリがやって来た、ハクチョウが飛来した――。ときどき車で通るだけになってからは、そうした“発見”は人より遅くなった。なかでも花は、毎日歩いたり、サイクリングをしたりする人がネットにアップした写真で知ることが多い。
 
 その、人より遅い発見を二つ。一つはアレチウリだ。断続的に堤防を覆っている。つるを伸ばし、花を咲かせ、他の植物をすっぽりと覆っている=写真。

 夏井川の堤防を散歩していて、アレチウリに気づいたのは2008年秋。10月初旬に当欄で次のようなことを書いた。
 
 ――アレチウリは北米原産の1年生のつる性植物で、日本では1952年に静岡で発見されたのが最初。特に河川敷で分布が広がっている。外来生物法で規制されている侵略的な植物である。これらの生物を予防するには、入れない・捨てない・広げない、が大原則になる。ところが、現実は拡大する一方だ。

 昔からのつる性植物にクズやヤブガラシがある。アレチウリはそれさえも覆ってしまう。覆われた植物は日光を遮断されるから、やがて枯れる。アレチウリの最も厄介な点がこれだ――。
 
 夏井川の堤防を、河口から水源までチェックしたらどうだろう。飛びとびに「アレチウリマップ」ができるのではないか。夏井川渓谷でもアレチウリは見られる。その上流、川前の磐越東線沿いにもある。

 もう一つの遅れた発見はヒガンバナだ。堤防土手の草が刈られたところでは真っ赤な花が咲きはじめ、草刈りが遅れているところではアレチウリが繁茂していて、花は見えない。こまめに草を刈っていれば、アレチウリは生えても増えることはないだろう。河川敷の草刈りを引き受けている行政区の頑張りに期待するしかない。

 今度の彼岸には田村市へ足を延ばす。夏井川の堤防がどのくらいアレチウリに覆われているのか、ざっと見てこよう。

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