2014年9月22日月曜日

太陽の恵み

 晴れてさわやかな一日になったきのう(9月21日)の日曜日。早朝、夏井川渓谷にある隠居(無量庵)へ出かけ、真っ先にふとんを干した=写真。濡れ縁と庭のテーブルだけでは足りない。車を寄せて、ドアも開けて干し台にした。

 渓谷は空中湿度が高い。植物はその環境に適したものが生息するが、人間はそうはいかない。家の戸や窓を開閉し、あるいはエアコンを入れて住環境を調整する。わが隠居のようにふだんは閉ざされた状態だと、長梅雨には廊下などにカビが生える。当然、押入のふとんも湿ってかび臭くなる。で、年に1~2回は押入に入っているものを全部出して天日に干す。
 
 ふとんを取り込むときの、ふかふかして甘いぬくもりが好きだ。甘い匂いはしかし、太陽が届けたものではない。ネットには、人間の汗や皮脂などの汚れが太陽の紫外線で分解されたときに出る匂い、とある。少し興が冷めるものの、太陽の熱と分解力・殺菌力はすごい。“ふかふか力”にも驚く。ふっくらして、1枚、押入にふとんが入らなくなった。

 太陽の恵みは万物・万人に平等だ。「生産消費者(プロシューマー)」が当たり前の田舎では、昔からその恵みを生業と生活の中に取り入れてきた。身近な例では、大根を干してたくあんをつくる。漬けた梅を干して梅干しにする。今の時期なら、刈り取った稲をはせにかけて干す。このごろは屋根の太陽光発電が普通になった。

 ふとんの話に戻れば、一番の安眠のもとはこの甘い匂いとぬくもりだ。それはしかし、太陽がくれた1回だけのごほうび。一夜明けたらふとんの甘やいだぬくもりは冷める。
 
 今週末に無量庵で飲み会が開かれる。7人が泊まる。ほんとうはそのときにも干せばいいのだろうが、そこは勘弁してもらうしかない。酔っ払ったら、ちゃんとふとんを敷けるかどうかもわからないし。

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