2014年9月25日木曜日

「除染作業中」

 福島県の地図を4等分したうちの右下、浜通りの平野部を含む阿武隈高地南部を一周した。いわきから国道6号を北上し、双葉郡富岡町から西に連なる山を越えて川内村を抜け、田村市常葉町で法事をすませたあと、夏井川に沿っていわきへ帰ってきた。ざっと150キロの行程だった。

 事故をおこした東電福島第一原発(1F)からの距離でいうと、およそ7~40キロ圏を走行したことになる。国道6号の人口集中地域を除けば、道沿いに広がるのは田畑と山の農村風景だ。所によっては、汚染土などの入ったフレコンバッグが野積みになっている。

 3・11後、田村市の実家へ帰ったのは4回。いずれもいわき~夏井川溪谷~川内村~田村市~小野町~いわきのルートだった。今回、何年ぶりかで富岡ルートを利用した。所どころで「除染作業中」=写真(田村市)=の立て看が見られた。昨年まではなかった作業員の宿舎もできていた。田村市に隣接する葛尾村へ除染作業に通っているということだった。

 帰路は国道288号を西に進み、南相馬市方面への迂回路でもあった同349号(田村市船引町)から磐越東線と夏井川に沿って浜通りへ下った。

 磐東線沿いは運がよかったのだろうか。線量は低い。道端に立て看があったので、ここでも?と見たら、水道の工事を告げるものだった。福島県の東側半分は、阿武隈高地の南部だけでなく北部も「除染作業中」のところが多いのではないか。その異常事態のなかで出合った普通の工事だ。「普通」がこんなに新鮮で、ホッとするものだとは知らなかった。

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