2013年2月23日土曜日

「積ん読』の行く末


断続的に本のダンシャリをしている。カミサンが隣の弟の家から本を運んで来ては、縁側とコンクリートのたたきに積みあげる。『漱石全集』『和辻哲郎全集』『定本柳田國男集』『岩波講座 哲学』『岩波講座 日本語』その他=写真。要るか要らないか決めよ、という。このへんの本になると、なかなか踏ん切りがつかない。

若いときに無理をして買い揃えた本ばかりだが、ほとんど「積ん読」のままできた。人生の残りの時間を考えれば、これからも「積ん読」のままだろう。かといって、本を眠らせておくスペースは、わが家にはない。最後は古本屋へ行くにしても、業界で暮らす若い仲間の話では二束三文にしかならない。

しゃくの種をかみながらも溜飲を下げる手はある。これまでに何度かしてきたことだ。国際協力NGOのシャプラニールが展開している「ステナイ生活」。

単行本・コミック10冊(約400円)で家事使用人として働くバングラデシュの少女たちが読み書きを学ぶ授業を1回開催することができる。1500円になれば、少女たちが将来の仕事の選択肢を増やすためのミシン研修を1カ月間開催することができる。

それはそれとして、違う展開もあり得るだろう。津波で家を流され、本を失った人がいるにちがいない。家はあっても原発事故で避難し、本を手にすることができなくなった人がいるにちがいない。そういう人たちのために要らなくなった本を融通し合う回路が開けないものか。

津波被災者や原発避難者が利用する交流スペース「ぶらっと」=イトーヨーカドー平店2階=には「譲ります」コーナーがある。本のリストをつくってそこに張り出してみようか。とは思ったものの、箱入り本の全集では重くて場所ふさぎになる。現実的ではない。やっぱり「ステナイ生活」行きか。

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