2026年5月7日木曜日

マイ皿復活

                                 
   ゴールデンウイーク中のわが家の出来事を振り返ると、刺し身のマイ皿復活が真っ先に挙げられる。

日曜日の晩は刺し身で一杯と決めている。3月に初めてその魚屋を訪ね、生カツオの刺し身があるかどうかを聞いたら、「カツオは4月になってから」という。竹を割ったような受け答えが好ましかった。

それではと、店頭にあったメヒカリの干物を買って、から揚げにして食べた。ほくほくしてうまかった。

 干物がうまいなら――と、また4月半ばの月曜日、刺身を買いに行くと店が閉まっていた。

なぜ月曜日かといえば、この日、病院で定期検査があったからだ。前夜の日曜日は、それで刺し身と晩酌を控えた。

「一日遅れの日曜日」のつもりだったが、世間はそう簡単には問屋を下ろしてくれない。定休日だったのだろう。

 別のところから買った生カツ刺しの味がイマイチだった。今度こそ食べたい。そんな気持ちがふくらんで、4月の終わりにまた店を訪ねた。

生カツ刺しを15切れほど頼んだ。トレイに盛り付けられたのを、家で印判の皿に移し替え、「笑点」を見ながら「試食」する。悪くはない。

「今度は皿を持ってくるから」。店主に告げていたので、連休ど真ん中の日曜日(憲法記念日)、久しぶりにマイ皿を持って出かけた。

たまたま奥さんも店にいて、ちょっとした会話になる。店主がいう。「ダンナさんは平から?」「そう、神谷から。草野の『魚新』が店をやめてから、ずっと刺し身の店を探してたの」

日曜日の「刺し身ドライブ」の話をすると、マイ皿に盛り付けられたカツ刺しを思い出した。魚新ではいつもマイ皿いっぱい、25切れくらいは盛ってくれた。

量は40代のころから変わらない。それが後期高齢者になって余るようになった。冷蔵庫に入れて、翌朝、海鮮丼のようにして食べる。それでも余れば、にんにく醤油に漬けて揚げたものを晩酌のつまみにする。

その「にんにく揚げ」さえ余ることがある。すると、これを醤油で煮てほぐしたフレーク状のものが出る。これも酒のつまみになる。再利用の再利用だが、それぞれに味が違うのであきることがない。

その店は南と西が開放されている。南側には網をかぶった棚があって、天日干しのメヒカリなどが並んでいる。そのうち雨が降り出し、夫婦でこの棚を西側の軒下に移動した。

軒下にピタッと収まるように棚をつくったのだろう。そのはまり具合に感心していたら、どうもカツオだけでは足りないと判断したのか、タコの足を切ってマイ皿に加えた。値段は? 思ったより安い。

魚新が店を閉じて9カ月。やっとマイ皿に盛りつけられた刺し身=写真=を目で楽しみ、舌で味わいながらグイッとやった。

「町中華」ならぬ「町魚屋」に、やっとたどり着いた感じだ。ここしばらくは「試食」を続けてその味を体にしみこませることにしよう。

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