建物のカギを交換した。今度調べてわかったのだが、木製戸用のシリンダー錠というものらしい。
かぎが古くなったこともあるのだろう。かかりにくくなった。らせん状の溝が摩耗しているのが原因らしい。
ダメになる前に新しいカギに替えなくては――。最寄りのダイユー8に出かけたが、同じ型のカギはなかった。
業者用の系列店(ダイユー8プロ)ではどうか。マチからの帰り、新しくできた店に寄ると、スタッフがカギのコーナーに案内してくれた。いろんなカギがある。さすがは業者向けの店である。
似たカギを買おうとしたら、アドバイスされた。「商品を開封すると返却はききません。カギ穴の寸法を測ってからにしたらどうですか」。値段が値段だけに、そうすることにした。
商品の説明文をコピーしてもらい、それを参考に実測すると、目当ての商品で大丈夫らしいことがわかった。
後日、また訪ねてカギを購入する。すると、レジで「バナナをどうぞ、コーヒーもあります」と勧められた。
買い物をして飲食物のサービスを受けるのは、たぶん初めてだ。夫婦でバナナを各1本、アイスコーヒーを1杯、セルフでちょうだいした。これだけでまた来なくちゃ、という気になる。
さて――。めったにやったことはないが、DIY(ドゥ・イット・ユアセルフ)でカギの交換をしないといけない。
折から真夏日のような暑さになった。外にいるだけで汗がにじむ。熱中症予防のために日影ができるのを待ってイスを持ち出し、座って古いカギを取り外した。
といっても止めネジは、簡単にははずれなかった。なにしろ60年以上使ってきたカギである。3つある取り付金具のうち、1つがすっかりさびついている=写真。
計9個あるネジのうち1個は溝がゆるくなって、ドライバーを何度回してもびくともしない。30分もあれば交換できるだろうと踏んでいたが、予想以上に苦戦した。
最後は少し大きなドライバーをバールのように差し込み、グイッとやって、ようやく取り付け金具をはずした。木製戸だからできた「荒業」だ。
それが終われば、今度は新しいカギの取り付けである。前のカギ穴とネジ穴を利用し、取り付け金具を仮止めしたうえで、内側の戸と外側の戸をつなぐカギの開け閉めがスムーズにいくよう調整する。これはわりと簡単にできた。
DIYにもその人間の技量があらわれる。取り付け部が少し曲がって見た目は悪い。が、カギはちゃんとかかるようになった。それでよしとするしかない。
DIYで家を建てた――という話をたまに聞く。カギの交換だけでヘロヘロになった人間からみると、それはもう「神業」に近い。あらためてDIYを日常にしている人に敬意を表したい。そんな思いになった。