先日、ダンシャリをしていたカミサンが和風ハーブの本を引っ張り出してきた。木村幸子著『ふるさとハーブ物語』(いしずえ、1998年)=写真上1=で、著者の木村さんはいわき市出身である。
著者略歴によると、木村さんは磐城女子高校(現磐城桜ケ丘高校)から法政大学へ進んだ児童文学作家である。
カミサンとつながりのある先輩と同学年で、その先輩から本の恵贈にあずかったようだ。
『ふるさとハーブ物語』では、シソの実に始まってカヤの実で終わるまで、ネギ・ウド・ユズ・ニンニクなど15種類の和風ハーブを取り上げている。
たとえば、ネギ。子どものころはネギの味噌汁が嫌いだったという。やがて大人になり、PTAで親しくなった母親たちと浅草の「駒形どぜう」へ行ったとき――。
小鍋に並べられたドジョウの上に山盛りにのせられた、小口切りのネギの煮えたのを、ドジョウよりもおいしいと感じながら、ネギが好きになったのは会津の曲がりネギを食べたときだったことを思い出す。
子どもの味覚と大人の味覚はやはり違うようだ。私自身、フキノトウは子どものときは苦くて嫌いだった。
それが新聞記者になり、取材先の草野美術ホールでフキノトウを焼いて一献となったとき、苦さが酒に合うことを知った。以来、フキノトウが手に入ると必ず酒の肴にする。
フキノトウだけでなく、ミョウガも出てくる。ある日、PTAで知り合った女性2人、店で飲み始めると握りずしが出てきた。その1つのネタがミョウガの甘酢漬けだった。
著者は甘酢漬けを口にしながら、子どものころを思い出す。好きだったのはナスとミョウガの油炒め、キュウリとミョウガの酢のものだった。
糠漬けのキュウリやナスに細かく輪切りにして水にさらしたミョウガを、細かく刻んだショウガとともに和えたものも好きだったという。
後日、店をやめた女主人と地下鉄の車内で偶然、一緒になる。自分が降車する駅に着いて別れるとき、女主人がいう。「ミョウガは、ほぐしてサッと蒸したものに薄く塩を振って、甘酢に漬けるだけ」
そのミョウガがわが家の庭でも姿を見せるようになった。薄く黄色い花をつけている=写真上2。春に芽生えたものはミョウガタケ、月遅れ盆のころに根元から現れて花を付けるのはミョウガの子という。
糠漬けにする。甘酢(わが家では甘梅酢)漬け同様、縦に2つに割って糠床に入れる。じかに入れると取り出すとき、小さくてどこにあるかわからなくなる。
前は小さなプラ容器に糠味噌を入れてそれに寝かせたが、今はガーゼに包んで糠床に入れる。
わが家の庭、隣の故義弟の家の庭、夏井川渓谷の隠居の庭と、ここしばらくはミョウガの子から目が離せない。