「日本の夏」から何を連想するか――。若いときはヤマユリと青空にわく入道雲だった。
40代で夏井川渓谷にある隠居の庭を「開墾」し、家庭菜園を始めてからは「暴力的な緑の繁殖」が真っ先に思い浮かぶ。
わが生活圏のはずれ、住宅密集地から離れた一角にケータイの無線塔が立つ。塔の下半分はクズの葉で覆われている=写真。
夏井川渓谷にある隠居までの道筋でも、クズがからまり、葉をまとった電柱や標識柱が何本もある。
自分の暮らしと直接かかわりがないから、「すごいなー」で通り過ぎるだけだが、わが家の庭や隠居の庭、そして菜園となると、そんなゆとりはない。
日曜日のたびに隠居の菜園で草むしりをする。草をむしって土が見えるようになったと思っても、すぐ緑に覆われる。
小さな面積だが、「三春ネギ」のうねが畳3枚分くらいある。そこはがんばって草をむしり、ネギの根元に日光が当たるようにしている。
夏場は朝の1時間が限度だ。曇ってはいても気温は高い。すぐ汗みどろになる。2時間も、3時間も外にいると、熱中症になりかねない。
そんなあんばいだから、草たちはまた競うように生えてくる。刈り残した風呂場の前のギボウシと、ミソハギが花をつけ始めた。酷暑のなかの一服の涼である。
そうしたなかでも「収穫」はある。「ふっつぇ」のジャガイモの葉が、ほかの草にまぎれて枯れかかっている。草にまぎれて茎をむしると、小イモが転がり出る。7月には2回、それぞれ5~7個を「収穫」した。
「こんなちっちゃなイモ、どうすんの?」。カミサンになじられながらも、私には決まった食べ方がある。
「みそかんぷら」は同じ小イモでも、もうちょっと大きいものを使う。そこまではいかない、まさに豆イモだ。
三春ネギの苗と豆イモの味噌汁。「ネギジャガの味噌汁」は秋以降が本番だが、夏も間引いた三春ネギと、この豆イモで「ネギジャガの味噌汁」にしてもらう。
三春ネギは、冬場には糖分をためて甘くなる。今は夏。甘くはないが、ネギジャガの味噌汁にすると、やわらかくて香りが立った。三春ネギの個性は夏でも健在だ。
東北地方は8月4日、ようやく梅雨が明けた。近年では2013年と2017年、東北南部の梅雨明けが8月にずれ込んだ。
2013年は8月3日、これがあとで8月7日に修正された。2017年もあとで修正が入った。8月2日に梅雨が明けたが、あとで「特定できなかった」に変わった
7日は立秋。暦の上では「残暑」に入る。新聞の「暑中見舞い」広告は「残暑見舞い」に変わった。
秋になったといっても暴力的な緑の繁殖は変わらない。日曜日の草むしりはしばらく続く。