「西高東低」の冬型の気圧配置になって冷たい西風が吹き荒れたあとは、庭に渋柿の葉が散乱し、見事に色づいた柿も2~3個は落ちている。
柿の実はあおく未熟なうちからよく落ちる。今年(2025年)は「生(な)り年」らしく、いっぱい実をつけた。落柿が直撃するのを避けるため、夏には柿の樹下から車を離しておいた。
秋の深まりとともに、柿の実の表面が鮮やかな朱赤色になってきた。色に引かれて実を回収し、整理ダンスの上に飾った。
1個が2個になり、3個が6個になって、風が吹き荒れた翌朝には5個を加えて11個に増えた。
このまま飾っておくわけにはいかない。1カ月ほど前、落っこちた1個の皮をむいて4つ割りにし、小皿に並べて台所の窓辺に置いた。それを思い出して試食すると、渋みが抜けて甘い。それなりに干し柿になっていた。
若いころ、この渋柿を長い棒のはさみでもぎり、皮をむいて2つずつテープで結んで軒下につるしたことがある。
見事に失敗した。ヒヨドリにやられ、カビも生えた。以来、干し柿はお福分けを食べるだけになった。
つるさなくても、ざるに並べて室内干しをする。それもあり、ではないか。小皿の干し柿からひらめいた。
11個の柿の皮をむき、大きく平たいざるに並べて、日が当たる2階の窓際に置いてみた=写真。
裸になった柿の実は、傷ついたところはやわやわになっている。ざるに接するとくっついてしまって、実が崩れる。
そうならいないように毎朝、様子を見に行く。ちょっとした振動、たとえば地震、あるいは家の前の道路を大型車が通ると、すぐコロリとなる。で、毎日、置き場所を探りながら並べ直す。
揺れを感じなかった日でも、なにかが影響するのか、1個か2個はコロリとなっている。
小さな泡を吹いている傷口もあった。果肉がとろけそうになっている。これがざるにくっつくと厄介だ。
ざるも時々、半回転させる。曇りガラス越しとはいえ、光がまんべんなく当たるようにする。
この「柿の実」のお守(も)りは、水分が抜けて表面が焦げ茶色になるまで続く。焦げ茶色になれば、もうざるにくっつくこともないだろう。
そうなるのは師走の半ばかもしれない。それでいい。目標は正月だから。正月三が日の食べ物の一つにする。
むいた皮は捨てずに干して白菜漬けの風味用に使う。これはヒヨドリもつつかないので、軒下の台の上に新聞紙を広げて、そこに並べた。こちらはすぐ水分が抜けるので、使うまでそのままにしておく。
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