11月下旬の連休最終日、前日に引き続き夏井川渓谷の隠居へ出かけた。モノを運ぶだけだったので、すぐ川前から差塩(さいそ)の山越えルートで三和に下り、三和ふれあい市場で買い物をした。
例年、11月下旬にはふれあい市場で白菜を2玉買う。シーズン最初の白菜漬けは三和産で――。これをほぼ踏襲している。
理由は簡単だ。この時期、山地の白菜は平地の白菜よりは甘い。霜が降りる時期になって、畑の野菜は凍るのを防ぐために糖分を蓄える。冬の到来は平地より山地が早い。
ならば同じ山地の川前の白菜でもいいのではないかとなるのだが、これはもう好みというしかない。親せきが上三坂にいる、高専の仲間にも三坂出身者がいた、ということも作用している。
山が冠雪すると差塩の山越えルートは使えない。国道49号を利用してふれあい市場へ直行するのも、道路の冠雪・凍結を考えると怖い。というわけで、山越えルートを使うのは今回だけかもしれない。
白菜は1玉を8つに割り、天日に干してから漬ける。計16割り。夫婦2人だけなので、これを食べきるには、1カ月はかかる。
春の終わりの大型連休のころ、糠漬けに切り替える。それまで4~5回は白菜を漬ける。
真冬には平地の白菜も甘みを増す。そうなればどこでもいい。どこかの直売所を訪ねたときに白菜も調達する。
さて、今季最初の白菜漬け込みである。夕方まで晴れる日を選んで、朝方、縁側に白菜を干した=写真上1。
夕方には漬け込む。そのために、甕(かめ)を洗い、ユズの皮をむいてみじんにし、乾燥した柿とミカンの皮、昆布、鷹の爪、食塩を用意する。干したらすぐ漬ける。待ったなしの作業だ。
白菜は重さが何キロだから食塩は何グラム、なんて計算はしない。もう指が覚えている。少なくともここ数年は「手分量」でやっている。
漬け込みには台所のいすとテーブルを利用する。いすに甕を置く。テーブルに白菜を置く。もう1つのいすに座って、白菜を手に持ち、葉を1枚ずつ開いて食塩を振る。
甕の底が見えなくなったら90度回転し、同じ要領で白菜に食塩を振る。2段目もふさがったら、また90度回転して残りの白菜に食塩を振る。
その都度、風味用のユズと殺菌用の鷹の爪を散らし、昆布とミカン・柿の皮などを加える。
甕は、台所には置かない。そこだと明るすぎる。北向きの階段下に据える。甕を移してから、重しを2個のせる。これで漬け込み作業は完了だ。
金曜日(11月28日)に漬け込んだのが、翌日には早くも湿り、翌々日には水が上がったので、重しを1個減らした。
さらに押し蓋の上まで水が上がったことから、師走初日の朝、1切れを取り出して食卓に出した=写真上2。
食塩はまだなじんではいなかったが、白菜には甘みがあった。期待通りだった。これで漬物は当分買わずにすむ。
0 件のコメント:
コメントを投稿