2013年3月11日月曜日

被災地訪問ツアー


NGOのシャプラニールによる被災地訪問ツアー「みんなでいわき!VOL.2」が3月9~10日に行われた。首都圏を中心に、遠くは山口、兵庫県、大阪府などから19人が参加した。

一行は初日、シャプラニールが運営している被災者のための交流スペース「ぶらっと」を訪れ、利用者と対話・交流した=写真。翌日は「なこその希望ウォーク」に受け付けボランティアを兼ねて参加した。

東日本大震災から2年の節目に、犠牲者を悼むとともに、いわきを肌で感じてもらおう、という企画だ。

いわき市は沿岸部が津波で甚大な被害を受けた。加えて、原発避難者が多く住み、原発事故の収束作業のトリデにもなっている。そうしたいわきの複雑な現状に少しでも触れてほしい――そんな思いが、一行を迎える側にはある。

初日、「ぶらっと」での交流会をのぞき、夜の懇親会に参加した。昨年2月の「フィール!いわき」、平七夕まつりに合わせた「みんなでいわき!VOL.1」に続き、今回もいわき訪問ツアーに参加した人がいる。東京などでのイベントで顔なじみになった人もいる。まるでいわきに親戚がいるかのように通ってきてくれる。

大震災への意識の風化が言われる。「被災地のことを忘れている」と神奈川へ避難してきた人が怒っていた、どう思うかと聞かれたので、「忘れるほど被災地のことを考えていてくれたのかな」と応じた。最初から考えていないのだから忘れることもない――というのは暴論だが、被災地からの距離や時間の経過が意識の風化をもたらしているのは事実だろう。

それは仕方ない。私が首都圏に住んでいるとしたら、ふだんは「被災地のことを忘れている」に違いない。あるいは「忘れているようにみえる」に違いない。だから、こうしていわきに思いを寄せて訪問してくれる人たちがいることをありがたく思う、とも付け加えた。

大震災以後、「震災縁」とでもいうべき新しいつながりができた。そういう人たちが一人でもいる限り被災地は忘れられていない、と私は思っている。今度のツアー参加者との交流でも、それを実感した。

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