2013年4月4日木曜日

歌人の懇親会


先日、歌人の高野公彦さんを囲む懇親会が勿来の「関の湯」で開かれた=写真。高野さんはコスモス短歌会、朝日歌壇の選者だ。いわき市立草野心平記念文学館で講演したその晩、コスモス所属の地元歌人が中心になって懇親会を主催した。

東日本大震災後、コスモス短歌会福島支部が歌集『災難を越えて 3・11後』を発刊した。代表の高橋安子さんから送っていただいた。読後感を当ブログに書いた。その縁で懇親会に招かれたのだった。

短詩型文学に興味がある。といっても、手元にあるものを読む程度だ。文章を寄稿している俳誌(季刊)が届く。震災後は新聞の俳壇、歌壇をチェックする。その延長線上で『災難を越えて』をじっくり読んだ。

共感したのは短歌の作品に多かった。五七五よりも七七音多い分、内面まで下りていける、ということなのだろう。そんなことを自己紹介のなかで話し、「俳句は早々と『原発忌』だとか『福島忌』だとか言っているが、それには反発を感じる」とも付け加えた。

高橋さんは元教師。教え子が“一本釣り”をされて短歌の世界に分け入る、というケースがあることを自己紹介のなかで知った。四倉町の若い開業医はその一人。締切日が近づくと、指で五七五と数えながら呻吟する。「突然の地震長いぞ揺れ強いぞ点滴患者のそばで身構う」は、まるで学校の宿題でもやるようにして仕上げたか。

あとで高野さんがあいさつした。「いろんな人と会う、人間って面白いなと思う。短歌をやって知った人生の楽しみです」。確かに、短歌のつくり方も人それぞれ、人間って面白い。

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