2009年8月24日月曜日

蚊帳をつる


月遅れ盆以後、天気が少し回復してきた。この1週間余りはセミの鳴き声もよく響く。夏井川渓谷(いわき市小川町)ではアブどもが元気に飛び回っていた。無量庵の中でも、畑でも、森の中でもまとわりついて離れない。

開け放たれた室内では蚊取り線香も効き目が薄い。1人に1つ、ハエたたきが必要だ。うっかり昼寝もできないとなると、どうしたらいいものか。カミサンが閃いた。押し入れに蚊帳があったはず。白い蚊帳を取り出した。ここ、そこ、と言われたとおりに鴨居にフックをかけて蚊帳をつる。

“昼行灯”ならぬ“昼蚊帳”ができた。早速、中に入って居心地を確かめる。外は晴れ。風もない。蚊帳の中から見ると、部屋に一枚オブラートがかかった感じ=写真。昼寝にはもってこいだが、本を読んだりするには少々熱がこもって暑そうだ。外からは中をうかがえない。だらしなく寝ているのには都合がいい。

蚊帳はしばらくつったままにしておくことにした。きのう(8月23日)も畑仕事をしたあと、蚊帳の中で昼寝をした。本も読んだ。緑色の蚊帳ではどうだろう。本が読めるだろうか。ときどき顔を上げて外を見ると、目がかすんだ感じになる。目が疲れたのではない。網目のオブラートがそうさせるのだ。

曇って気温が上がらなかったせいか、朝のうちは畑にいてもアブ・蚊の襲撃はなかった。それが昼寝をするころには、蚊帳の外をアブが飛び交うようになった。太陽が顔を出したのだ。アブたちはやがて窓に集まってブンブンやり始める。横へ移動すれば外へ出られるのだが、その知恵はない。ハチも、チョウも同じ。

蚊帳があると部屋を自由に使えない。その点は不便だ。が、残暑はもう少し続くだろう。アブにチクリとやられるよりは不便な方がいい。風が吹けば、蚊帳のすそはめくれあがる。蚊帳の用をなさない。が、アブも蚊も風に邪魔されて攻撃を仕掛けられないからおあいこだ。ともかくも、無量庵には蚊帳が似合っている。それだけ古いということだ。

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