全体に薄墨をぶちまけたような梅雨空が続く。きのう(8月3日)は昼間、久しぶりに太陽を拝んだが、それもつかの間。空は再び薄墨色の雲海に戻った。
土曜日(8月1日)の朝6時前。夏井川の堤防を歩いていると、「ポットオッツァケタ、ポットオッツァケタ」と盛んにホトトギスが鳴いている。その声が近くなる。と、斜め前方を鳴きながらよぎって行った。急いでカメラのシャッターを押す。けし粒のような黒点がデジカメのモニター画面に残った。
ホトトギスの鳴き声には幼いころからなじんでいる。日中ばかりか、夜間、夜明けと鳴き続け、祖母が寝物語に怖い民話を聞かせたものだから、いやでも耳にこびりついて離れない。
昔、きょうだいがいて、食べもののことで口論になった。食べていないのに「食べたべ」と邪推された方が、身の潔白のために腹を裂いて死んでしまった。残った方は自分の誤りを悔い、悲しみ、ホトトギスになって「ぽっと、おっつぁけた」と鳴き続けているのだという、山里に広く?流布している話。
よその地方ではどう聞きなしているのか分からないが、阿武隈高地ではこの民話のおかげで、ホトトギスの鳴き声は「ポッと(腹が)おっつぁ(裂)けた」と聞こえる。
ホトトギスの姿は、しかし見たことがなかった。ヒヨドリよりほんのわずか大きいだけだから、まぎらわしい。ほぼ一直線に飛ぶので、ヒヨドリではないと分かった。それも、鳴きながら飛んでいたので。
きのうも鳴き声が聞こえた。朝の散歩の帰路、住宅地に声が近づいてきた。カメラのレンズを伸ばして構える。ちょうどわが家の角を曲がったとき、上空にホトトギスが現れた。一コマだけ撮った=写真。
同じホトトギスだとしたら、夏井川に沿って專称寺あたりまで、鳴きながら山崎の里を旋回する。ときには、夏井川をよぎって平六小のあたりまで神谷の里を鳴きながら旋回する――そういった行動を取っているのだろう。
写真はお見せできるようなシロモノではない。が、私には物心づいて以来の“初物”なので、あえて記念写真として掲載した。右上の鳥は、ツバメかヒヨドリかは分からない。
土曜日(8月1日)の朝6時前。夏井川の堤防を歩いていると、「ポットオッツァケタ、ポットオッツァケタ」と盛んにホトトギスが鳴いている。その声が近くなる。と、斜め前方を鳴きながらよぎって行った。急いでカメラのシャッターを押す。けし粒のような黒点がデジカメのモニター画面に残った。
ホトトギスの鳴き声には幼いころからなじんでいる。日中ばかりか、夜間、夜明けと鳴き続け、祖母が寝物語に怖い民話を聞かせたものだから、いやでも耳にこびりついて離れない。
昔、きょうだいがいて、食べもののことで口論になった。食べていないのに「食べたべ」と邪推された方が、身の潔白のために腹を裂いて死んでしまった。残った方は自分の誤りを悔い、悲しみ、ホトトギスになって「ぽっと、おっつぁけた」と鳴き続けているのだという、山里に広く?流布している話。
よその地方ではどう聞きなしているのか分からないが、阿武隈高地ではこの民話のおかげで、ホトトギスの鳴き声は「ポッと(腹が)おっつぁ(裂)けた」と聞こえる。
ホトトギスの姿は、しかし見たことがなかった。ヒヨドリよりほんのわずか大きいだけだから、まぎらわしい。ほぼ一直線に飛ぶので、ヒヨドリではないと分かった。それも、鳴きながら飛んでいたので。
きのうも鳴き声が聞こえた。朝の散歩の帰路、住宅地に声が近づいてきた。カメラのレンズを伸ばして構える。ちょうどわが家の角を曲がったとき、上空にホトトギスが現れた。一コマだけ撮った=写真。
同じホトトギスだとしたら、夏井川に沿って專称寺あたりまで、鳴きながら山崎の里を旋回する。ときには、夏井川をよぎって平六小のあたりまで神谷の里を鳴きながら旋回する――そういった行動を取っているのだろう。
写真はお見せできるようなシロモノではない。が、私には物心づいて以来の“初物”なので、あえて記念写真として掲載した。右上の鳥は、ツバメかヒヨドリかは分からない。
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