2009年8月10日月曜日

休耕田の早咲きコスモス


自宅(いわき市平中神谷)から平の街へ行くのに、大きく3つのルートがある。神谷は夏井川と丘陵にはさまれた田園・住宅地。よく使うルートは堤防上の道。次に幹線道路の国道6号。たまに水田地帯を貫く“農道”を走る。

“農道”の一角に休耕田を利用したコスモス畑がある。記憶では、一昨年あたりに切り替わった。早咲きコスモスだ。今、花盛りといっていいだろう=写真

ほかに今年、平六小前の水田が一枚、花畑に替わった。水はけが悪いので高畝が設けられた。マリーゴールドとサルビアが満開だ。もう一列、ネットが張られてアサガオがつるを伸ばし、花を咲かせ始めた。たぶん、農水省が始めた「農地・水・環境保全向上対策事業」の一環だろう。コスモス畑もそうかどうかは分からない。

農村景観は、ただそこにそのままあって美しいのではない。農業従事者が田んぼのあぜの草刈りをする、共同で用水路の泥はらいをし、破損部分はこまめに修復する、といった農村環境の保全活動を継続しているからこそ、美しい景観が守られているのだ。

ところが、農業従事者の減少や高齢化などが原因で遊休農地が増えると、たちまち田畑は荒廃する。美しい景観と環境の維持が難しくなる。そこで、地域の農地や水路・あぜ道などは地域の財産、地域に住む非農業者も含めて共同でこの農業資源と農村環境の保全・質的向上を図ろうと、農水省が対策事業を打ち出した。

いわき市でも各地でこの事業が展開されている。先進的なのは地区の関係団体などが参加した「平下平窪資源・環境保全会」だ。対象の休耕田は平浄水場近くにあって、コスモスなどが植えられた。ちらほら花が咲いている。夏井川渓谷への行き帰りにいつも眺めて通る。

一昨年の暮れだったか、去年の年明け早々だったか、中神谷地区でも保全会結成の準備が進められている、という話を聞いたことがある。結成されて活動を始めたから、休耕田が花畑に替わったのだろう。雨が降るとすぐ水がたまる。花にはつらい環境だ。それに比べたら、コスモスは生き生きと風に揺られている。一見の価値あり。

0 件のコメント: