2009年8月30日日曜日

ノウサギの死


ざっと10日前のことだったか。早朝、夏井川渓谷の無量庵へ車を走らせていると、路側帯の外側に横たわっている動物が目に入った。いわき市小川町の国道399号、コハクチョウ越冬地の近く。ちらっと見た印象ではノウサギらしかった。

無量庵でキュウリとインゲン、真っ赤に色づいた激辛トウガラシを収穫した帰り、車を止めて死骸を確かめた。長い耳の先端が黒いほかは茶色い毛で覆われている。まぎれもない、ノウサギだ=写真。車にはねられたのだろう。外傷は見られなかった。にしても、俊敏なはずのノウサギがなぜ輪禍に?

ノウサギは夜行性だから、日中、無量庵の周辺で見かけたことはない。庭から一段下の草地を刈ると、決まってビー玉大の黒いフンが転がっている。それで、家の近くまでやって来ているのが分かる、そんな程度だ。

前にもコジュケイやタヌキ、テン、ツバメなどが輪禍に遭った話を書いた。その後も、動物の死骸はあとを絶たない。集めるつもりはないのだが、データだけは少しずつ増える。無量庵の近くではハクビシンがはねられて横たわっていた。こちらはだいぶ時間が立っていたらしく、カラスはつつくところはつついてとっくに姿を消していた。

ノウサギの死骸のそばに電信柱がある。電線に数羽のカラスが止まっていた。ノウサギの軟らかい部分を狙っているのだが、車が行き来する時間帯になって、なかなか目的を達せられないでいるようだった。人間の暮らしと重なるところで生きる動物は、人間同様、安閑としてはいられない。

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