2013年4月19日金曜日

溪谷のヤマネ


ゴルフボール大に丸まって寝ているヤマネを見た=写真。夏井川渓谷の小集落で春の祭りが行われたときのこと。家の2階に入り込んで冬眠しているヤマネの話になった。祭りの「なおらい」が終わったあと、その家の主人がかんなくずを入れた容器の中で眠るヤマネを見せてくれた。

ヤマネはピクリともしない。が、胸のあたりがふくらんだり、へこんだりしている。4月中旬だが、まだ冬眠から覚める気配はなさそうだ。

ふと、半世紀も前のできごとがよみがえる。阿武隈の一筋町の裏手に段々畑があって、その土手で子どもたちが遊んでいた。畑の奥には里山が広がる。境目に樹齢何百年という大桜がそびえている。その枝々にほんの一瞬、小動物の集団が現れ、走り回った。子どもたちは驚愕した。ガキ大将の話では「キネズミ」(リス)だった。

いつの間にか記憶が変形し、加工されて、「キネズミ」は頭の中でヤマネに変わっていた。ヤマネはしかし、夜行性のうえに体長が8センチほどしかない。夏井川渓谷で出合った小動物、たとえばノネズミとそう変わらない大きさだ。

目の前で丸まっているヤマネを見て、「キネズミ」の記憶が修正されていく。大桜の枝の太さと小動物の大きさからして、その小動物はヤマネの何倍も大きい。「キネズミ」はやはりリスだったか、と。にしても、リスが運動会をするなんてことがあるのかどうか、今も不思議でしかたがない。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ヤマネ!!かわいい・・・^^まん丸ですね♪