2013年6月26日水曜日

フサスグリ

夏井川渓谷の埴生の宿(無量庵)にフサスグリがある。日曜日(6月23日)に見たら、実が熟して赤く輝いていた=写真

無量庵は、庭だけは広い。知り合いからもらったり、ホームセンターから買ったりして植えた「実のなる木」が、高田梅2本、カリン1本、プルーン3本。温州ミカンは冬、葉が霜焼けをおこして枯れた。真冬に屋内の水道管が凍結・破損するような場所では、そもそも無理、いや無謀だったか。

フサスグリは鉢物を買ってカリンの根元に移植した。小灌木だ。小さいころ、母親の実家(現田村市都路町)にある「イッサ」の実を、いとこと一緒に食べた。家の近所の宮原商店でも夏、同じものを売っていた。大人になって調べたら、スグリの一種だった。

青い実を食べた。すっぱかった。その思い出が忘れられずに、中年になって鉢植えを買い求めた。記憶にある「イッサ」の実は、庭にあるフサスグリの実よりは大きい。「マルスグリ(オオスグリ)」というやつか。

相馬地方に「リッサ」という方言がある。親が相馬出身の知人から聞いて知っていたが、ユスラウメのことであってスグリではない。「イッサ」の語源調べはストップしたままだ。

今年は特に実のなりがいい。写真も撮ったことだし、あとで「初物」をいただこう――そう決めていたのに、畑でネギ坊主を摘んだり、森を巡ったりしているうちに、摘むのを忘れた。


カリンの実は果実酒に利用できる。高田梅は、梅干しではなく梅漬けにする。プルーンはもちろん生食に――というもくろみは、しかし半分なまけ、半分放射能のせいで実現していない。「梅ジャム」づくりも、3・11後は中断したままだ。食べ忘れたスグリの実が、まぶたの裏で赤く美しくゆれている。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

原発について愚痴ること

放射線量はまちがって測定するし、チェルノブイリは20年以上たってやっと廃炉作業が始まる、収束なんて程遠いし、地下水は海へ漏れ続けているし、総理はトップセールスで経済優先で原発を売り込んでいるし、福島のことは県外の人はお構いなしです。