今年は、秋キノコはどうなのだろう。9月下旬、夏井川渓谷の岸辺の道を少し歩いただけで、有毒のテングタケ=写真=などが次々に見られた。おそらくキノコは豊作ではないだろうか。
「キノコ採り」なら山の斜面を攻める。若いときはそうだった。が、垂直方向に進むとたちまち息が切れる。で、水平方向だけに動く「キノコ撮り」に切り替えた。要するに、デジカメをもった散歩だ。
写真を撮り始めるとすぐ、男性がうしろからやって来て道の奥へと進んでいった。いでたちが渋い。タオルを頭巾にし、地下足袋をはき、リュックを背負って、手には小鎌を持っている。思わずあいさつしながら聞いた。「キノコですか」「ええ、様子を見に」。こちらはマツタケの意味で聞き、相手もそれを察して答えた。
私が「キノコ撮り」をしていた場所は、それこそ40年前にはマツタケが採れた斜面のふもと(私は採ったことはないが)。その後、松枯れがおき、いったん収まったと思ったら、最近、また松枯れが始まった。それに加え、林床が富栄養化し、赤松が年を取ったこともあって、マツタケが姿を消したと思われる。
マツタケ採りの人々はその小道の奥の、また奥に「シロ」を持っている。私のように足元にある毒キノコなどには目もくれない。
ツイッターでいわき内外のキノコのベクレルを測って発信している人がいる。数値を見る限りでは毎回ため息がもれる。いよいよ味より色とかたちの「キノコ撮り」に徹するしかない。
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