「うわー、虫がいっぱい落ちてきたー」。カミサンが大声で助けを求める。すぐピンときた。
家の東側にある生け垣のマサキを剪定していたら、ミノウスバの幼虫が糸を引いて垂れさがったのだろう。
見るとそうだった。ミノウスバの幼虫がいっぱい、マサキの葉から糸を引いて宙に浮かんでいた。
糸を切って幼虫を1匹1匹地面に落としていたのでは間に合わない。また幹に取り付いて這いあがる。
前にこうもり傘を開いて宙に浮かんだ幼虫をまとめてそこに落とし、あとで始末したことがある。その手を使うしかない。
開いてひっくり返した傘の柄を左手に持ち、右手に庭ボウキを持ってマサキの枝葉をたたくと、幼虫が糸を引いてバラバラ落ちてきた。
これを繰り返しているうちに、やっと落ちる幼虫がいなくなった。この間ざっと20分。傘の内側にはちぎれた枝葉とともに、ミノウスバの幼虫がうようよしていた=写真。
冷たいようだが、マサキの葉を守るためにはミノウスバの幼虫を退治するしかない。この「捕物」にはとにかく傘が有効だ。
捕虫網も殺虫剤もない。が、虫を退治しないとあとあと大変なことになる。とっさに思い浮かんだのがこうもり傘を「受け皿」にすることだった。
ある年、初夏なのに葉が食害されて丸裸になった。それに懲りて傘の利用を思い立った。
それと同じで、日常のほかの場面でもモノがなければ別のモノで代用する。たとえば、電気ひげそり。ときどき小さな専用ブラシで刃を掃除する。
そのブラシがどこかに消えた。夏になってこたつのカバーを取り外したときにでも出てくるのだろう。
それを待っているわけにはいかない。何を代用するか。目の前の筆入れにカラスの羽があった。
ふだんはパソコンの画面や眼鏡、キーボードの小さなほこりを払うのに使っている。これをブラシ代わりにしたらどうか。
正解だった。羽毛はしなやかなうえに強い。専用の小さなブラシよりかえっていいかもしれない。刃がきれいになった。
「なにがなんでもブラシが必要」ではなく、「なければないなりに」である。代用できるものがあればいい。身近なモノで用をすませる。
日常のほころびはそうして、いくらでも取り繕うことができる。夜、寝ていて足が冷えたときもそうだ。
たいていは毛布と掛け布団がずり上がって、足が夜気に触れているときにそう感じる。
冷えるのを防ぐために敷き布団の下に毛布を差し込んだら、夜気が遮られた。それで足の冷えもおさまった。
ひげそりだってそうだ。ひげが白くなって目立たたないのをいいことに、2日に1回から3~4日に1回のサイクルに変えた。
まずは電気ひげそりを当てたあと、入浴しながら安全カミソリで深剃りをする。これだと安全カミソリの刃が古くても痛くない。長持ちさせるための「合わせ技」でもある。
傘・羽・毛布プラス合わせ技。本来の用途のほかに応用を効かせる。それで暮らしがうまく転がっていけばいい。
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