毎日、在宅ワークをしている。こたつの上にノートパソコンを置き、あぐらをかいてキーボードをたたく。ときどきは足を伸ばしてバタバタやる。エコノミークラス症候群を予防するためだ。
それにはラジオ体操もいいらしい。子どものころ、夏休みに小学校の校庭に集まってやった。動きは今も体が覚えている。これを毎日やろうと思っても、決心がつかない。もっと簡単な体操はないものかと、怠け者はつい考えてしまう。
阪神・淡路大震災から31年がたつ1月17日、いわき市文化センターで令和7年度の自主防災組織研修会が開かれた=写真。
福島テレビ専属気象予報士斎藤恭紀さんが「2026年、大きく変わる防災情報と天気の見通し」、柴山明寛東北大学准教授が「後発地震注意報と今後の地震発生のリスクについて」と題して話した。
締めくくりは、一般社団法人生涯健康社会推進機構による健康体操の実演だった。講師のリードで動画に合わせ、体を動かした。
「ケロロワット体操」という。いわき市が去年(2025年)11月15日、総合防災訓練を実施した際、初めて披露された。
今回の受講者は、区内会と重なる自主防災組織の役員が主なので、高齢者がほとんどだ。
先の原発震災では多くの人が避難所暮らしを経験した。私もその一人。避難所ではやることがないから、ただじっとしていた。
そんな体験と加齢が、高齢者でも簡単にできる健康体操を求めてきた、とはいえる。
ケロロワット体操は場所を取らない。大ホールに集まった高齢者が起立して、足と腕の屈伸をし、上体を左右に動かしても、隣の人を気にせずにやれる。
振り付けと歌詞はラッキィ池田さんが担当した。作曲は秋田在住の渡部絢也さん。
歌詞とメロディーに乗って体を動かしながら、これはいわきゆかりの体操だな――そう思った。
体操の主人公はカエル。だから、ケロロワット=カエルのスクワットである。ラジオ体操と同じように、最後は息を整えるために深呼吸をする。「深呼吸~/るるるるる~/リリリリリ~/若がえーる‼」
オノマトペ(擬音)が草野心平のカエルの詩と重なる。心平の作品「誕生祭」の一部。「りーりー りりる りりる りっふっふっふ」「ぐるるっ ぐるるっ」。あるいは「蛙」の最初の2行。「ぐりり るるるり/ぐるり るるり」
ネットで情報を探ると、ラッキィ池田さんは、心平にあやかり、カエルをモチーフにしたという(いわき民報)。やっぱり。いわき発祥の健康体操だった、といってもいい。
「元気がよみガエ~る」「お腹をかカエル」……。擬音とダジャレを組み合わせて、楽しく体を動かすことができる。
「おたまじゃくしはカエルの子」のメロディーも取り入れてある。手が出る、足が出る。確かに手足の屈伸と同じだ。ラジオ体操とも重なる流れなので、違和感がない。難なくできる。
ということは、避難所に限らない。自宅でもふだんからできそうだ。実はこれが一番の目的かもしれない。