前回(12月23日)の「いいのみんなの食堂」からおよそ3週間。前よりは20分ほど遅く出かけたこともあって、今回も平市街の日没に遭遇した。
「いいのみんなの食堂」は平南白土にある。神谷からは国道6号の夏井川橋を渡り、対岸の県道甲塚古墳線に下りる。そのあとは夏井川に沿って進み、支流の新川を2回渡って住宅街に入れば着く。場所は旧「レストラン シェ
栗崎」だ。
新川と夏井川の合流部手前で平地の丘と阿武隈の山並み、平の市街が、開けた空の下に一望できる。
天然の風景画である。前回とほぼ同じ位置から、助手席のカミサンが夕焼けをパチリとやった=写真。
前回は冬至の翌日だった。1年で最も南に寄った夕日は徐々に北へと位置を変え、3週間たった今では、市街の丘の北側、湯ノ岳のすそ野の方に近づいて沈んだ。
目安は「太陽は1日1分、月は1日1時間」だ 。冬至以後は日の出が1日に1分早くなり、日の入りが1日に1分遅くなる。
前回の撮影時間は午後4時18分、今回は4時36分だった。その差は18分。厳密に日没の瞬間を撮ったわけではないが、それからもおおよそ「1日1分」の違いは読み取れよう。
日中は雲がなかった。底が抜けたような青空だった。午後になって雲が出てきたために、日没時は赤い夕日を反映して、雲の下が赤く染まっていた。
蛇行したあと、まっすぐこちらへ向かって来る夏井川の水面も、大空でこちらへ向かうように伸びた雲を映して赤く染まっていた。
車だったので、チラ見で通過したが、「赤い川」は、最近では見たことがない。対向車も後続車もなければ、止まってカメラを向けるところだ。
その日、その時、その場所だからこその特別な風景、自然からの贈り物である。
写真技術は未熟だが(そのために撮りそこなった「決定的瞬間」はいっぱいあるが)、車を運転していては、ウデがよくても撮影はかなわない。
そのために、カミサンが助手席に座っているときは、撮影の代行を頼む。ハクチョウは、最近はほとんどカミサンが撮っている。夕日や面白い雲もカミサンが撮る。
「赤い川」は残念ながら、助手席からは見えなかったろう。見えてもすぐ視界から消えたことだろう。
みんなの食堂から帰る時間には、車はすべてライトをつけていた。川面はもう暗くて見えない。新川合流部のそばを通ると、薄闇の浅瀬にハクチョウが数十羽、白く浮き出て見えた。日没前後に順次、周囲の田んぼから帰って来たのだろう。
「赤い川」を見たころ、合流部にはもうハクチョウが帰っていたかもしれない。が、上流の川面に視線が集中して全く気づかなかった。
自然はおもしろい。というより、自然に接することで、しこった感性がほぐれる。それだけではない。絶えず自然に触発されて、思考のバランスを図っている。少なくとも私はそうだ。そのことをまた日没直後の赤い雲と川、うす暗がりのハクチョウが教えてくれた。