紅梅は白梅より早く咲くようだ。前にも書いたが、常磐水野谷町の梅林寺には、この紅梅が多く植えられている。
1月も後半に入ると、テレビが梅林寺の紅梅の開花を伝える。今年(2026年)は暖冬で例年より2週間も早く開花したという。
カミサンのアッシー君を務めて、初めて寺を訪ねた。花は咲き始めたばかりで、見ごろは2月に入ってからだという。
私は、紅梅ではなく白梅を見て育った。昔は梅干しをつくるために、あちこちに白梅が植えられていた。
念のために花札の「梅に鶯(うぐいす)」をネットで確かめる。ウグイスと一緒に描かれているのは紅梅だった。
花札は子どものころからなじみがある。現実の紅梅にはあまり出合わなかったが、図柄では早くから紅梅を見ていたのに、ずっと白梅と思い込んでいた。
梅林寺には白梅も植えられていて、こちらも咲き出していた。白梅も開花が早まっているようだ。
気象庁が各地の測候所を介して「生物季節観測」を行っている。いわきの場合は、小名浜に測候所があったとき、職員が目視で記録していた。
平成20(2008)年9月30日で有人観測が終了し、翌10月1日からは無人の「小名浜特別地域気象観測所」として再スタートした。今は人がいないから、生物季節観測も途絶えたままになっている。
ただし、桜(ソメイヨシノ)の開花については、小名浜まちづくり市民会議が気象庁OBの協力を得て観測・発表をしている(前は梅も観測していたようだが……、続いているのだろうか)。
当時、測候所が行っていた生物季節観測は、植物が延べ18種目、動物が15種目だった。初霜・初氷・初雪などの観測も手がけた。
その時点での梅の開花は平年値で2月18日、温暖化が進んだ今はもっと早くなっていることだろう。
梅林寺の観梅から1週間後の1月25日、夏井川渓谷の隠居までのルートで白梅の花をチェックした。春先にはいつもそうする。
平地は標高6メートルほどのわが家(平)から同48メートルほどの片石田(小川町)まで、さらにその先、標高60メートルほどの河岸段丘(小川町高崎)にある集落まで、6~8分咲きだった=写真(平・大室地内の畑)。
高崎地内の白梅はわりと早く開花する印象があったが、今回はどこの白梅も開花が早いようだ。
高崎から上流の集落は、夏井川渓谷の江田~椚平~牛小川だが、こちらは梅の花はまだだった。白い梅前線は、夏井川流域では今のところ高崎止まりということになる。
そういえば、わが家の南隣、故義弟の家の庭には白梅が植わってある。カミサンが「花が咲いていた」というので、28日の夕方に確かめた。
花は咲き始め、2分咲きくらいだろうか。顔を近づけるとほんのりいい香りがする。横光利一の小説のタイトルを借りれば、春は馬車に乗ってすぐそこまで来ている。