先日、若い仲間が来て、「コウノトリが3羽、平・馬目(まのめ)に現れた。野鳥の会いわき支部のホームページに写真が載っている」という。
さっそくホームページの「最近の出来事」欄を開く。8月5日の項に、稲穂の間に立つ3羽の写真がアップされていた=写真。
会員から情報が寄せられ、朝9時ごろ現地に着いて探したら、田んぼにいた。暑い中、3羽がそろうのを待って撮影した、とある。
馬目といえば、わが家からも、仲間の家からも近い。それこそ、灯台下暗し、である。「最近の出来事」欄をスクロールし、6月以降のコウノトリの情報を探った。
3羽だけではない。別の個体の写真もアップされていた。小川・三島の夏井川に現れたコウノトリについても紹介している。
それぞれの足環の番号を記しているところが野鳥の会らしい。番号を手がかりに、いわきへ飛来したコウノトリの生まれた場所を追った。
参考例として、震災前の2010(平成22)年2月、夏井川の堤防を散歩中に見たコハクチョウの首輪の話を少し――。
「緑色の首環と足環を付けたのがいる。重くはなさそうだ。首環には細いアンテナが付いてんだ」
新川合流部で越冬するコハクチョウがピークの250羽前後に達したころ、まだ健在だった「白鳥おじさん」から教えられた。
番号は「169Y」。2009年10月、北海道・網走のクッチャロ湖で首環と足環が装着されたコハクチョウだった。
無線送信機は衛星で移動経路を追跡するためだろう。足環は右が緑色、左がアルミニウムらしい銀色だった。
さて、いわきで目撃されたコウノトリの場合は、たとえば三島に現れた個体は「J0771」というふうに、「J」から始まる。
ネットのコウノトリの足環装着一覧表によると、「J0771」は去年(2024年)4月に京都府綾部市で生まれた雄だった。
馬目の3羽は前々日には近くの四倉・長友にあるトマトランド付近で目撃されている。足環の番号はそれぞれ「J0843」「J0844」「J0845」である。
新潟県上越市で今年生まれたばかりのきょうだいらしい。それで頭に浮かんだのが、いわき市原子力災害広域避難計画だ。
平地区の場合、「避難・一時移転」市町村として、茨城方面のほかに新潟県魚沼・南魚沼・見附・長岡・小千谷・十日町・柏崎各市と出雲崎・湯沢・津南各町が明記されている。
上越市は十日町市や南魚沼市の西の方に位置する。避難とは逆コースを飛んで来たことになる。
ほかに富岡町で目撃された個体は足環が「J0728」で、こちらは去年、石川県津幡町で生まれた若鳥である。
いずれにしても、コウノトリは長距離をものともせずに(転々とだろうが)移動する。ひんぱんにいわきに現れるようになれば、なかには……と期待を抱かせるが、そうは問屋が卸してくれない?
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