残暑。いや、残暑の間に「酷」が入る。「残酷暑」だ。言葉遊びではなく、ほんとにそう思いたくなるほどの暑さが続く。
むしろ盛夏にはおとなしかったミンミンゼミがこのごろ元気に鳴いている。しかしなかには、夜、茶の間に飛び込んで来たと思ったら、翌朝、息絶えているものがある=写真。
死んだミンミンゼミを庭の草むらに帰すと、今度は次の日、アブラゼミが茶の間でひっくり返っている。これもそっと草むらに戻す。
茶の間を庭の続きと思っているのは、チョウやガ、セミだけではない。ある日、小さなアリが座卓を動き回っていた。
座卓にはアリが群がるような食べカスはない。が、これが何日も続く。おかしい、こんなことは初めてだぞ――。
理由がわからずにいたある日、ふとそばの屑籠(くずかご)を見ると、アリがうごめいていた。コンビニから買って来たサンドイッチの袋にたかっているではないか。
そうか、サンドイッチの袋には、ゆで卵その他の食材が少しは付いている。それを庭からかぎつけて、列をなして入り込んだのだろう。
このところ毎日、昼はコンビニからサンドイッチやコーヒー牛乳、野菜ジュース、その他を買って来る。
カラになるとそばの屑籠にポイ――アリたちにはそれが好都合だった。とりあえず、屑籠の中身を全部ごみ袋に移してカラにする。
その後は、食べ物の空き容器やシールはごみ袋に入れて、屑籠は紙くずだけにした。当たり前といえば当たり前だが、アリは「獲物」がなくなるとすぐ姿を消した。
カミサンの台所仕事を減らすために、昼はコンビニから買って来る。「残酷暑」で「ガリガリ君」を食べる。そんな「新習慣」がアリを呼び寄せたのだと知る。
糠床の異変もまた「残酷暑」の一例だろう。漬けるものがなくても毎朝糠床をかき回す。でないと糠床はすぐにカビが生える。
ところが……。ある朝、糠床のフタを開けると、小さな穴がいっぱい開いていた。海岸ならマテガイ採りの気分だが、糠床にはあってはならない事態だ。
やられた! いつ? 心当たりはない。が、たぶん新しい小糠を投入したときだろう。フライパンで火を通さずに生のまま糠床に入れた。
小糠が大好きなコバエが卵を産み落としていたらしい。糠床で虫たちがかえり、1センチ強に成長していた。
前に一度同じ目に遭っている。糠味噌は廃棄処分にした。こんどもそうするしかない。
無駄な抵抗かもしれないが、糠味噌を何度もかき回し、次から次に現れる虫を除去した。翌朝にはやはり穴が開いている。それであきらめがついた。
今の糠味噌は3代目だ。2014年から使っている。わずか11年でおしゃかになった。毎朝糠床が熱を帯びているのを感じてはいた。それも関係していたのだろう。こちらはまた一からやり直しだ。
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