夕方、庭の方から声がかかったので、カメラを持って出た。外の流しで、翅が三角形の蛾が2匹、交尾していた=写真。
初めて見る蛾だ。写真データをパソコンに取り込み、簡単にスケッチしたのを見ながら検索すると、ほどなくセスジスズメらしいことがわかった。
幼虫(イモムシ)の食草はサトイモやサツマイモの野菜だけでなく、つる植物のヤブガラシだという。
ヤブガラシは春になると、いやなほど庭に芽を出す。毎朝、歯を磨きながら新芽を摘むのだが、次から次に現れるのでとめどがない。
ネットであれこれ調べているうちに、「芽むしり」は対症療法にすぎない、根本的な解決策は地下茎の除去しかないことを知った。
ではと、何年か前に試したことがある。新芽の生え出た地面にフォークを突き刺してグイッとやった。が、地中に根づいている茎は、そのくらいでは簡単には浮き上がらない。
それでも、10分くらい続けるうちに結構な量の地下茎をはぎ取ることができた。新芽は5~10センチ間隔で出てくる。すさまじい生命力だ。
しかし、新芽は別の場所からも現れる。そのつど、芽むしりをする。今年(2024年)の春もそうして芽むしりをしたが、やはり取り残しがあった。
夏、生け垣に絡まったヤブガラシが花を咲かせていた。「ああ、手抜きをしてしまった」と後悔する。
セスジスズメの成虫を見て、庭に現れても不思議ではないと思ったのは、むろんヤブガラシが生え出て、生け垣につるをからめるからだが、交尾を終えたメスの産卵の仕方を知って、なるほどと感心した。
メスは飛びながら、幼虫が食べる草、たとえばヤブガラシに卵を1個ずつ産みつける。卵は1週間ほどでかえり、葉を食べて成長し、土にもぐって最後の脱皮をしてさなぎになる。それで越冬し、5~6月に羽化して、夕方から夜にかけて活動する。
その生命のサイクルを、知らない間にわが家の庭でも繰り返していたのかもしれない。
成虫の翅の紋様と形が変わっている。ネットには、ハンググライダーのような翅、という表現があった。しかも翅の紋様はわりと直線的だ。
前にハグルマトモエが茶の間に現れたときにも、羽の紋様に驚き、興味を引かれた。セスジスズメも第一印象はそうだった。
昼間の蝶は、アオスジアゲハであれ、キアゲハであれ、だいたいは目撃して写真を撮ったり、調べたりしてきた。
蛾は、遭遇する機会が少ない。が、主に夜、飛び込んで来る。紋様がおもしろいものはやはり気になる。
あるときは食事中、よくわからない蛾が現れて餃子のたれに飛び込んだ。蛾がその中ではばたくので、たれが食卓に飛散した。
あわててたれの入った小鉢を手で押さえる。てのひらが飛散したたれでべとべとになる。きれいなままだったら写真を撮って調べるのだが、これは早々にカミサンが片付けた。
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