2013年11月14日木曜日

全体除染

夏井川渓谷にある隠居(無量庵)=写真=の除染作業が間もなく行われる。2月中旬に、いわき市から業務を受託した業者が放射線量を測定した。4月中旬には、データとともに除染計画作成のための範囲確認をしたことを告げる「事前調査報告」の文書が、玄関のすきまから差し込まれていた。それが始まりだった。

ほぼ半年後の10月上旬、作業を実施する共同企業体からの「お知らせ」が無量庵に届いていた。今は月に1~2回行くだけだから、半月~1カ月遅れで文書を見ることになる。市役所に用事があったついでに、原子力災害対策課を介して自宅に連絡をくれるようお願いした。

間もなく担当者がわが家へやってきて、除染作業の中身を説明した。それによると、庭の土のはぎとり・客土、雨樋の清掃、植栽の剪定・除草、芝刈り、コンクリート構造物と側溝・水路の高圧洗浄、砕石のすきとり・入れ替えをする。

無量庵は義父が土地を借りて、平の街なかにあった他人の家を譲り受け、解体・運搬して再建した。建物の所有者のほかに地権者の同意が必要だという。それはそうだ。

10月末には、仮置場利用開始のめどが立ったので、日程などの打ち合わせに来たが留守だった、連絡を――という文書が無量庵に差し込まれていた。だから、自宅の電話番号を教えたのではないか、と文句をいってもしかたがない。11月中~下旬に作業を予定している、とあった。それと前後して地主さんの同意をもらい、自分でも同意した。

10戸ほどある溪谷の集落では、「全体除染」が行われるのは無量庵だけである。ほかの家は「部分除染」にとどまった。敷地の放射線量が平均で毎時0.24マイクロシーベルトと、年間1ミリシーベルトの目安になる0.23マイクロシーベルトをわずか0.01超えたための措置だ。

折からいわき市議会10月定例会が開かれ、一般質問のなかで市北部4地区(久之浜・大久、四倉、小川、川前)の除染状況が明らかになった。無量庵は小川にある。

新聞報道によると、対象住宅約8500軒のうち①地上1メートルで住宅地内の平均が毎時0.23マイクロシーベルトを超える全体除染は約2600軒②0.23以上の地点が1カ所でもみられた部分除染は約4600軒――で、9月末までに除染が完了したのは約800軒(11%)にすぎない。

渓谷には小集落が点在している。昔から交流のある隣の行政区が仮置場の設置を了承し、さらに除染物の搬入を認めてくれたからこそ、作業が進められる。感謝しないといけない。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

除染とは関連ないが、沖縄米軍基地のPCB340トンドラム缶で1800本あまりの廃棄処理をいわきでやることが新聞に載っていた

安全に処理するとはいえ何で?いわきで?と首をかしげる

除染の廃棄物処理も同じことが言えるかもしれない

余所からの搬入はご免こうむりたい
身勝手で自分本位だと言われるかもしれない

だとしてもPCBは被害の記憶から放射能より怖い気がする

処理施設付近の住民はたまったものではないし、風下や川下で心配ないのだろうか?
汚染水どころの騒ぎでなくなる

どこか他でやったらとは無責任だが、何もいわきまで沖縄から運んで処理しなくても・・・