腹を立てたまま、夏井川の堤防へ出た。新川が合流するところに、今季初めてハクチョウが飛来していた=写真。
すると腹立たしさが消えて、気持ちがスーッと落ち着いてくるのがわかった。ハクチョウ様々だった。
腹立たしさの原因? 若い女性が乗った自転車だった。平・鎌田地区。大学があるので、いつも留学生が歩いていたり、自転車に乗ったりしている。
国道に架かる橋のたもとを左折して道を下り、別のところから堤防へ出ようとしたとき、橋上の歩道をそのまま走ってきた自転車が、安全も確かめずに車の直前を横切った。
左折しかかっていたので、ブレーキをかけなければ自転車ごと女性をはねていたことだろう。
まっすぐ横切るかもしれない――恐れた通りに、何のためらいもなく目の前を直進した。
クラクションを鳴らした。鳴らし続けた。それでも、相手は知らんふりをして遠ざかっていく。
これが初めてではない。やはり国道から同じ交差路を左折し、夏井川の堤防を利用して、住宅が密集する路地からわが家のある旧道へ出ようとしたとき――。
左側は民家の生け垣になっていて見通しが悪い。車は標識に従って一時停止をしないといけない。
一時停止をするとすぐ、生け垣の角から外国人の乗った自転車がブレーキをかけずに突っ込んできた。
こちらは止まったままだ。自転車の外国人もびっくりしたのだろう。右折したと思ったら目の前に車が止まっている。衝突を避けるためにブレーキをかけながら転倒した。
けがはなかったようだ。「スミマセン」。立ち上がって脇を通り過ぎながら、日本語で謝った。
少子高齢社会による人手不足を補う、という面もあるのだろう。このところ、地域では留学生を含む若い外国人が住み暮らすようになった。
それで知り合いになった外国人もいる。「郷に入れば郷に従え」で、ごみ出しルールや交通ルールを守っている限り、「外国人だから」と問題になるケーズはまずない。
ルールが自己流のとき、トラブルが起きる。車を運転していて、一番気を遣うのは、このマイルールの自転車だ。
外国人に限らない。年寄りもそうだ。簡単に車道を逆走する。本人には逆走している意識がないらしい。信号も気にしない。とにかく好きなように走っている、としかドライバーには見えないのだ。
そういった潜在的な危険性、そして重大事故の多発が道路交通法の改正につながったのだろう。
11月から自転車を運転中にスマホなどを使用する「ながら運転」や、酒気帯び運転などが罰則の対象になった。
「ヒヤリハット」が連発するような社会では困る。そうならないために、自転車運転の怖さを認識してもらうしかない。事故を起こしかねなかった人間として、切にそう思う。