夕方、飛び飛びに1週間かかった「仕事」が終わって、せいしせいした気分で晩酌の準備に入った。
すると、カミサンがプラ容器に細かく盛られたおかずを座卓に出した=写真。「酒のつまみに」と、楢葉町の知人が焼酎とともに持って来たのだという。
タイミングがいい。「心置きなく飲めるぞ」と思っている人間には、またとない「ごほうび」だ。
9個の豆皿を模した容器に、煮豆や煮物の野菜、サラダ、豆腐のおからなどが盛られている。高級料亭のもてなし膳(食べたことはないが)のような雰囲気を漂わせている。
いちおう説明しておくと、10月中~下旬には行政区内の事業所を訪問して、区費協力金をいただく。行政区の区長と会計が担当する。区にとっては欠かせない仕事だ。
行政区の大きな行事としては、大字(旧村=8行政区)の地区対抗球技大会(初夏)と体育祭(初秋)、夏と秋の市民総ぐるみ運動(一斉清掃)がある。
それらの活動資金やごみ集積所のネット購入費用、防犯灯電気料金などに充てる区費は、隣組の班長~担当の役員経由で区の会計が集約する。これは新年度に入ってすぐ実施する。
同じ目的の区費協力金は、区内会には入っていないが、行政区内で活動をしている事業所にお願いしている。前からの慣例で、秋に区長と会計の2人が事業所を回る。
まず1週間前に依頼書を届ける。夕方でないと会えない事業所がある。月極駐車場は、事務所は区外というところが多い。2人で手分けをして、区外も含めて1週間をかけて集金する。区長と会計にとっては1年で一番神経を使う仕事でもある。
集金がすむと、年度末の総会まで大きな行事はない。8行政区対象の行事(例えば、地区市民歩こう会)以外は平穏な日々が続く。
せいせいした気分になったのは、担当の集金が全部終わったからだ。そこへきれいに彩られたお膳が届いた。おいしくいただいたのはいうまでもない。
豆皿のお膳は、昔、テレビで見た覚えがある。拙ブログを確かめると、2014年5月下旬の「美の壺」だった。
「てのひらで愛(め)でる豆皿」を見て、わが家でも食事のときに使っているしょうゆ皿や取り皿が、なんだか遊び心に満ちた美の小宇宙に思えてきた。
――番組の圧巻は、9つの豆皿に9種類の料理を盛り付けたお盆だ。料理で見せ、豆皿で楽しませる。小さい世界なのにぜいたくで華やかな雰囲気に満ちていた。
豆皿の懐石料理に目がくぎ付けになっていると、裂(きれ)や陶磁器が好きなカミサンが、『楽しい小皿』『まめざら』といった“豆本”を持ってきた。染付や色絵、印判の豆皿が満載されている。絵柄の多彩さ、手びねりのぬくもりに俄然、興味がわいた――。
その興味は今も消えない。「豆皿9個」のプラ容器は捨てずにとっておき、後日、カミサンがこれにおかずを盛り付けて、酒の肴として出した。プラ容器でも「器で食べる」雰囲気は十分味わえる。
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