2026年8月12日水曜日

都市型水害

                                          
   2カ月ほど前になるだろうか。いわき駅前の再開発ビル「ラトブ」地下駐車場に車を止め、エレベーターホールに入ると、押しボタンのわきに「注意/水没被害」のシールが張られてあった=写真。

 地下街や地下駐車場が台風や集中豪雨によって冠水被害に遭う時代、ラトブでも警戒を、ということなのだろう。河川のはんらんだけでなく、新たに都市型水害を意識しないといけなくなったようだ。

シールの内容は、冠水被害が心配されるとき、地下駐車場などに止まっている車の移動・入庫の規制を行う場合がある。そのときは館内放送・誘導員の指示に従ってほしい――というものだった。

 いわき駅前を中心とした平市街では南を新川(旧古川)が細々と流れ、城山をはさんだ北をマチはずれの東へと夏井川が伸びている。夏井川は鎌田地内で急に曲がったあと、蛇行しながら太平洋へ向かう。

 平市街の東方、夏井川の先の旧神谷村に住んでいる。水害常襲地帯だったようで、白土と山崎の境にある新川合流部から下流で夏井川の堤防が決壊すると、集落が冠水する恐れがある。

 大雨のたびに不安がよぎるが、いわき駅前についてはまったく考えたことがなかった。

しかし、ゼロではない。下水路のような旧新川が平市街を流れていたころ、一帯は水害の常襲地帯だった。

ラトブでは地下2階、それも同1階へと通じるスロープの真ん前に車を止める。そこがふさがっているときには近くの空きスペースを利用する。

ラトブがオープンしたのは2007年10月25日。6階に創業者支援室(インキュベートルーム)が設けられ、若い仲間が「ネット古書店」を立ち上げるというので、開業と同時に同居人になった。

私は会社を辞めたばかりだったが、すぐ記念誌などの製作の仕事が舞い込んだため、若い仲間に手伝ってもらった。それで2年ほど、インキュベートルームに通った。

オープン当初はそれこそ、毎日3~4回、地下駐車場から車を出し入れした。止めた階を忘れて、「何階に止めたんだっけ」と慌てたこともある。

1階から地下1階、同2階、そして地下2階から同1階へは「左回り」で進むが、地下1階から1階へは、道路に出るので「右回り」になる。

地下1階に車を止めて地上に出るとき、地下2階と勘違いして、1階で左に回ったことがある。すぐ「逆走」に気づいた。

以来、地下1階が空いていても、必ず地下2階の「マイスペース」を利用するようにしている。

そこが冠水する? にわかには信じがたいが、地球沸騰化時代、今までの常識は通用しなくなった。そのことだけは確かなようだ。

ラトブの地下駐車場が冠水するときには、駅前の道路も冠水して湖になっている――。

そんなことを考えているときに、台風15号が東からやって来て、茨城県南部に上陸した。「逆走台風」と呼ぶメディアもあった。

いわき市は、雨は少なかったが、一日中、暴風が吹き荒れた。暴風警報は、夜8時には強風注意報に切り替わった。やれやれ、である。

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