2009年8月7日金曜日

断酒を経験


2歳の孫が入院して2週間近く。最初の1週間は、そちらに両親がかかりきり。二組の祖父母は生まれて1カ月半になる2番目の孫にミルクを飲ませ、寝かしつけ、宵には風呂に入れて――と、役割を分担し、時間をやりくりして後方支援を続けた。

で、朝晩の散歩も入院当初はやったり、やらなかったり。2日ほど休んだあと、暮らしのリズムを取り戻すべく夏井川の堤防を歩いたら、土手にキツネノカミソリ=写真=とナツズイセンが咲いていた。前々日には目に入らなかった夏の花だ。10日ほどたった今は、ナツズイセンは切り花になって消え、キツネノカミソリは草に埋もれてしまった。

後方支援組は、病気と孫(および両親)とドクターの三者会談を待つほかない。一日も早い孫の快癒のためになにができるだろう。孫の入院翌日から酒を断った。

2日目、3日目とわが肉体の内部環境が変化していく。禁断症状は不思議とない。尾籠な話だが、酒飲みは軟便になりやすい。消化酵素を分泌する膵臓がオーバーヒートをするので、そうなるのだと前に看護師さんに言われたことがある。この軟便が止まった。トイレへ行く回数も減った。ついでながら、飲まないとよけいなおかずがいらない。酒代も浮く。

会社勤めを始めて以後、一時の入・通院と徹夜で仕事をしたとき以外は、毎晩、酒を飲んできた。フリーになった今も飲んでいる。飲める体で断酒というのは、わが人生では初めてだ。それで知ったのは、いかに体内に酒毒を流し込んでいたか、カネをがぶ飲みしてきたか、ということである。

これを機に酒を辞めたら――という声もある。が、毒のない人間はつまらない。さいわい、孫の病気も治癒の見通しがついたので、8日で断酒を終了した。「あびる」ではなく「なめる」ように田苑を口に含んだら、五臓六腑はもちろん、手足の先までアルコールがしみ渡った。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

妖しく咲く夏の花からほのかな秋の気配が感じられます。

お盆はキツネでお彼岸はヒガンバナ、赤い花を目印にあの世からこの世へご先祖様が再開にやってくるのかもしれませんね!

朝露に濡れた緑の中にそこだけぽつねんと咲いた妖しく鋭く咲いた華が情趣があっていいですね。