行政区内にあって、だれの土地でもない場所に立っている電柱の件で、東北電力の担当者がわが家にやって来た。用事は簡単、区に借地料を払うための書類に記入して判を押すだけ。それで終わり――ではつまらないので、書類をわきにおいて雑談した。
盛り上がったのは、カラスに話が及んだときだ。カラスは電柱にも営巣する。洗濯物干し用のハンガーを巣の材料にするケースが少なくない。停電の原因になるので巣を除去するのだが、そしてまたいろいろ手を打つのだが、カラスはそれにもすぐ慣れる。いたちごっこだという。「書店の万引、電力会社のカラス」。そんな“新ことわざ”が頭に点滅した。
つる性植物も電柱の支えに巻きついて電線に向かって伸びていく。植物内部の水分が停電の元になる。この対策に巻き上がりストッパーが考案された。「電柱に風速計のような形をしたもの=写真=がついていて、風でくるくる回るけど、あれはカラス除け?」。「そうです」。よく気がつきましたね――といわんばかりに大きくうなずいた。
送電線や鉄塔についてもいろいろ教えてくれた。空気は絶縁体だが、高電圧の送電線の近くでは放電がおき、空気の絶縁を破ろうとしてビリビリ空気を震わせることがあるのだとか。50万ボルトのような超高圧送電線の場合は10㍍以上離れていないと危険だという。カーラジオをかけていて、踏切を渡るときに急に雑音が入るのはこれだったか。
超高圧の送電線が夏井川渓谷の上空をまたいでいる。目には見えないが、送電線からは絶えず放電がおこなわれているのだろう。道端の電柱に架かる配電線はともかく、送電線にカラスが止まっているのを見たことがあったかなかったか。今度、そのへんを意識して見てみよう。
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