2025年7月7日月曜日

残留のワケは?

                                          
   いわき市小川町三島地内の夏井川に、ハクチョウが1羽残留している。そのことを6月14日付のブログに書いた。

いわき民報には6月23日付「朝刊発・磐城蘭土紀行」として転載された。これは、その子にえさをやっている「白鳥おばさん」からのアンサー(手紙)である。

今までだと、白鳥おばさんから自宅の店舗(米屋の支店)に電話がかかってきた。去年(2024年)の秋に廃業し、店の電話を取り外した。

それで連絡がつかなかったのだろう。そのことにも触れながら、ハクチョウが残留した経緯をつづっている。その前に拙ブログを要約・再掲する。

 ――2021年の春、1羽がけがをして三島に残留した。毎日えさをやっている白鳥おばさんは「エレン」と名付けた。

その年の11月、白鳥おばさんから電話がかかってきた。エレンが飛べるようになったという。

でも、エレンは春が過ぎてもとどまった。翌年には北へ帰った。その年の年末、白鳥おばさんから電話がかかってきた。「エレンが戻ってきた。ずっと見てきたので間違いない」

そして今年、また1羽が残った=写真上1(4月20日撮影)。けがをしていて飛べないのだろうか。

エレンであってもなくても、ハクチョウが日本の夏を過ごすのはきつい。そのことだけは変わらない――。

 エレンではなかった 白鳥おばさんは、新しい子に「エリー」と名付けた(桑田佳祐の歌に「いとしのエリー」がある。手紙で名前を知った瞬間、そのメロディーが脳内に響いた)。

 ハクチョウたちは春の彼岸までに北へ帰ったあと、3羽が残った。首にまだ灰色の部分が残る幼鳥が、「仲間とのいざこざ」からか飛べなくなり、親鳥が10日ほど子どもの様子を見守っていた。が、気温が上がってきて、飛べない1羽を残して北へ帰った。

エレンのときと同じように、白鳥おばさんは国道の護岸の上から、対岸でじっとうずくまっているエリーに声をかけた。エリーは、くず米をまくとやってきて食べるようになったという。

そして、これは手紙の最後にあった「ビッグニュース」だ。6月下旬、ここにコウノトリが現れたという。そのイラストが描かれていた=写真上2。

コウノトリは去年8月、野鳥の会いわき支部が夏井川河口域でツバメのねぐら入り観察会を開いたときに、近くの水田で目撃されている。それとはたぶん、別の個体だろう。

7月1日、なんという偶然か、いわき市立草野心平記念文学館がSNSで三島のコウノトリの写真をアップし、それを観光まちづくりビューローが共有していた。

それだけではない。文学館では急きょ、7月11日からコウノトリと残留ハクチョウをテーマにした「小さな企画展」を開くという。

 エリーちゃんのほかに、(出合えるかどうかはともかく)コウノトリも、小さな企画展もと、バードウォッチングの対象が一気に広がった。

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