2009年10月25日日曜日

庭に来る冬鳥


「ヒッ、ヒッ、ヒッ、ヒッ」。庭の方からジョウビタキの鳴き声が聞こえる。北から渡って来た冬鳥だ。このところ毎日のように現れる。後ろの家の屋根か、電線か――見晴らしのいい場所で尾を振り、頭をぴょこっと動かしては、「ヒッ、ヒッ」を繰り返しているのだろう。

今年はコハクチョウよりも早く、ジョウビタキの姿を見た。夕方、夏井川のサイクリングロードを歩いていると、ヨシ原のへりにスズメ大の鳥がいた。翼に白い紋がある。すぐジョウビタキの雌と分かった。冬鳥第一号だった。半月ほど前のことである。

ジョウビタキはそんなに人間を恐れない。近所を歩いていると、すぐそばの庭木からフワッと舞い上がる。頭上の電線に止まっているときもある=写真。割と簡単に写真は撮れるのだが、スズメ並みの小ささだから、拡大するとどうしてもぼやけてしまう。そこが難しい。

同じ夏井川の岸辺で、冬鳥ではないが珍しい鳥を見た。長い尾と翼が青灰色をしたオナガだ。ヤナギにまとわりつき、「ギューイ、ギューイ」と濁った声で鳴き交わしては、次から次へと対岸のヤナギへ飛び移る。カラスの仲間で、私が姿を見るのは数年ぶり、いや十数年ぶりだったか。

オナガはあちこちで目撃はしているのだが、いつも同じところにいるわけではない。それで、パタッと姿が見えなくなる。何年かたって、忘れたころにまた現れる。オナガは、私にはそんな鳥だ。

今年最初のジョウビタキに出合ったころ、家の上空を飛び交うイワツバメを見た。こちらは南へ帰る途中だったに違いない。夏鳥から冬鳥へ――水辺や山野で過ごす渡り鳥は、役者がすっかり入れ替わったようだ。

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