いわき市立草野心平記念文学館で10月3日、「ふくしまの文学展・浜通り編」が始まった=チラシ。来年1月31日までのロングラン開催だ。関連企画の「中通り・会津編」は31日から12月6日まで、郡山市のこおりやま文学の森資料館で開かれる。
浜通り編を見れば、中通り・会津編も見たくなる。文学の森資料館で中通り・会津編が始まれば、ドライブを兼ねてのぞいてこようと思う。
タッグを組んで企画展を開催する以上は、そちらも見ないことには全体像がつかめない。いや、全体像うんぬんより、どんな文学者が福島県に生まれ育ち、ゆかりがあったのか、どんな作品を残したのか――単純な興味とともに、その文学の一端を確かめたい気持ちになった。
心平記念文学館では、浜通りの50人が紹介されている。浜通りに生まれた草野心平・吉野せいら、ゆかりの山村暮鳥・真尾悦子・島尾敏雄・埴谷雄高・星新一ら、訪れた長塚節・幸田露伴ら。なるほど、こういう「文学散歩」的な企画もありだな、と思った。
幸田露伴の場合は、明治30年秋に浜通りを北上した紀行文「うつしゑ日記」を取り上げる根拠にした。それなら、竹久夢二の「涼しき土地」の方がよかったのではないか。久之浜から湯本温泉までの記述が詳しい――などと愚痴ってもせんないこと。
林不忘の小説で誕生したヒーロー・丹下左膳は「相馬藩士」だった。団塊の人間はたぶん、大河内伝次郎扮する「丹下左膳」の最後の映画に声援を送った世代だろう。アラカン(嵐寛寿郎)の鞍馬天狗もそうだが、丹下左膳も片目・片腕というキャラクターが強烈だった。
それはさておき、注文がひとつある。一人ひとり600字程度のパネルで紹介しているのはいいが、図録的なものがない。いちいち解説文を読んでいたら日が暮れる。解説文を一覧にしたパンフレットなり、コピーのつづりなりを置いてくれないと、この企画展は価値が半減したものになりはしないか。
それも無理なら、心平記念文学館のホームページでいい。データを整理してダウンロードできるようにしてほしいものだ。予算のないのは分かる。が、「見る」だけの企画展に終わらせてはならない。「読む」ことで次の何かにつながるものがあるのだ。先は長いのだから、ぜひそこまでがんばってほしい。
浜通り編を見れば、中通り・会津編も見たくなる。文学の森資料館で中通り・会津編が始まれば、ドライブを兼ねてのぞいてこようと思う。
タッグを組んで企画展を開催する以上は、そちらも見ないことには全体像がつかめない。いや、全体像うんぬんより、どんな文学者が福島県に生まれ育ち、ゆかりがあったのか、どんな作品を残したのか――単純な興味とともに、その文学の一端を確かめたい気持ちになった。
心平記念文学館では、浜通りの50人が紹介されている。浜通りに生まれた草野心平・吉野せいら、ゆかりの山村暮鳥・真尾悦子・島尾敏雄・埴谷雄高・星新一ら、訪れた長塚節・幸田露伴ら。なるほど、こういう「文学散歩」的な企画もありだな、と思った。
幸田露伴の場合は、明治30年秋に浜通りを北上した紀行文「うつしゑ日記」を取り上げる根拠にした。それなら、竹久夢二の「涼しき土地」の方がよかったのではないか。久之浜から湯本温泉までの記述が詳しい――などと愚痴ってもせんないこと。
林不忘の小説で誕生したヒーロー・丹下左膳は「相馬藩士」だった。団塊の人間はたぶん、大河内伝次郎扮する「丹下左膳」の最後の映画に声援を送った世代だろう。アラカン(嵐寛寿郎)の鞍馬天狗もそうだが、丹下左膳も片目・片腕というキャラクターが強烈だった。
それはさておき、注文がひとつある。一人ひとり600字程度のパネルで紹介しているのはいいが、図録的なものがない。いちいち解説文を読んでいたら日が暮れる。解説文を一覧にしたパンフレットなり、コピーのつづりなりを置いてくれないと、この企画展は価値が半減したものになりはしないか。
それも無理なら、心平記念文学館のホームページでいい。データを整理してダウンロードできるようにしてほしいものだ。予算のないのは分かる。が、「見る」だけの企画展に終わらせてはならない。「読む」ことで次の何かにつながるものがあるのだ。先は長いのだから、ぜひそこまでがんばってほしい。
0 件のコメント:
コメントを投稿