いわき駅前の「ラトブ」へ行くと、「ラトブ散歩」と称して4~5階の総合図書館内を巡る。帰りはエスカレーターと階段を使って地下駐車場へ下りる。
図書館内を結ぶ階段の上と下のそばには展示コーナーがある。9月最後の日、4階へ下りるために5階の同コーナーの前を通ったら、キノコの本が並んでいた。
「10月15日は『きのこの日』」とあった。おっ、これはいいぞ! 秋の長雨で森のキノコは豊作らしい。ここでキノコ狩りをするか。
展示された20冊のうち、図鑑と『魔女の森』『トリュフの歴史』『森のきのこを食卓へ』などは既に読んだ。
まだ読んでない本は?とながめて、山本美穂編『しいたけと3・11』(新泉社、2026年)を借りる。
10月15日が「きのこの日」であることは、去年(2025年)秋に民放のニュース番組で知った。日本特用林産振興会が1995年に制定した。
これといった根拠があるわけではない。10月には野生のキノコが多く採れる。鍋物の季節を控えてキノコの需要が高まる時期でもある。
月の半ばなら人々の暮らしもそうあわただしくはないだろう、ということから、キノコの消費拡大や正しい知識の普及を目的に、10月15日を「きのこの日」に制定した。
わが家では毎日が「きのこの日」である。味噌汁には必ず栽培ナメコを入れてもらう。近ごろはそれだけでなく、栽培マイタケ、ときにはシイタケが加わる。
ナメコは、スーパーから傘の開きかけた大きめのものを調達する。豆粒のような小さいものでは食べた気がしない。
ナメコはぬめりが強い。味噌汁そのものにもナメコのぬめりが溶け出す。喉ごしがいいのはそのためだろう。
ぬめりの正体は粘液多糖体。食物繊維のひとつで、胃や鼻の粘膜を丈夫にするらしい。ナメコ自身の乾燥も防ぎ、防寒コートの役目も果たすという。
それに、東日本大震災と原発事故以来、いわきでは野生キノコを食べたり、出荷したりできなくなった(一部制限が緩和されたが中身は省略)。
栽培ナメコを口にしながら、ウラベニホテイシメジやタマゴタケ、ナラタケ、その他の食菌を食べたつもりになる。
図書館からキノコの本を借りて読むのも同じ。野生のキノコと出合った気になって楽しむ。
『しいたけと3・11』には阿武隈高地が登場する。これからじっくり読むとして、今は毒キノコだ。2日後、やはり展示コーナーにあった『日本の毒きのこ』を借りる=写真。
先日、いわき市が公園などに毒キノコのオオシロカラカサタケが多発しているため、メディアを通じて注意を促した。
『日本の毒きのこ』ではこのキノコにも触れている。誤食すると悪寒、頭痛、嘔吐、下痢、ときには血便になるなど、激しい胃腸系の中毒を起こす、とあった。
熱帯~亜熱帯産の帰化キノコで、日本列島の発生を継続して記録すれば、地球温暖化の傾向がわかるかもしれない、という。オオシロカラカサタケはただいま本州を北上中、とみるべきなのだろう。