楢葉町で農家レストランを営んでいる知人が、平へ来たついでにわが家へ寄っていく。カミサンと茶飲み話をして息抜きをするのだろう。
ありがたいことに、いつも晩酌兼晩ごはんのおかずを持参する。新鮮な野菜にひと手間加えたやさしい味が年寄りにはぴったりだ。
先日は食べ物ではなく、「楢葉の風」という箱入りの特別純米酒(4合瓶)をちょうだいした。楢葉の新しい地酒である。
今年(2026年)の販売が始まり、テレビや新聞が取り上げた。記事を含めて、あらためてネットで確かめた。
それによると、楢葉町で栽培された酒米「夢の香(かおり)」を使い、楢葉町の姉妹都市である会津美里町の酒蔵「白井酒造店」で醸造した。
東日本大震災と原発事故がおきたとき、楢葉町民の多くが会津美里町に避難した。その縁による。
酒造店の社長が、農業が受けた甚大な被害を知り、一刻も早い復興を願っていた。やがて楢葉の酒プロジェクト委員会が発足すると共感し、酒造りに協力することになったという。
書は書家金澤翔子さんが担当した。いわき市遠野町に「金澤翔子美術館」がある。遠野に開設されたのは東日本の復興を願ってのことだ。やはり、その延長で揮毫(きごう)したのだろう。
ついでながら、5月10日のNHKローカルニュースで、いわきのハタチ酒プロジェクトの田植えが取り上げられた。酒米は福島県が開発した「夢の香」。「楢葉の風」と同じ酒米だった。
3・11以後、福島県内の浜通りを中心に、日本酒だけではなくワインやクラフトビール、クラフトジンといった新しい醸造文化の動きがみられる。
いわきでも川前にクラフトビール「カワマエール」が誕生した。「楢葉の風」も同じ文脈で商品化されたとみてよい。
それと前後して、平・平窪の「やさい館」で新タマネギを使ったドレッシングを見つけた。
いわき市の隣郡・双葉地区のタマネギを使用したドレッシングで、JAのふたば地区本部が販売元になっている
最初は野菜サラダにかけすぎたが、適量だとさっぱりしていい味だった。前に宅配で取っていた元シェフ特製のドレッシングに近い地産ドレッシングでもある。
「楢葉の風」と「玉ねぎドレッシング」=写真=は、いわば同じ双葉郡内発の6次化商品だろう。
これはもう被災地支援とか、復興応援とかの話ではなく、一般の商品と同じように好みと値段の問題である。口に合って安いから買う、でなければ買わない。それだけの話だ。
そうそう、最近よく行く直売所から新タマネギを2個、おまけにもらった。スライスして生で食べるといい、と教わった。
一度絞ったものにかつお節を振りかけ、醤油をかけると、いいつまみになった。ほんのり辛みがあって焼酎が進む。四里四方というか、同じ生活文化圏内の食材はやはり気持ちをやさしくする。
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