2009年10月27日火曜日

キノコは不作?


秋以降、さっぱりキノコに恵まれない。山に深入りしないこともある。が、散歩感覚で巡る森の小道でもキノコを見かけなくなった。アカモミタケ、アミタケ、クリタケ……。夏井川渓谷(いわき市小川町)では、10月の声を聞くと、この順序で少量ながら採れたものだが、今年はまだお目にかからない。

同じ渓谷の上流に川前の農産物と加工品を直売している「川前屋」がある。半月以上前にのぞいたときのこと。朝早い時間だったので、オヤジさん(生産者)がパック入りの栽培クリタケを並べていた。例年だと、10月下旬が出荷のピークだ。栽培クリタケとはいえ、随分早い。オヤジさんは「今年は山のキノコも早い、葉が赤くなるのも、散るのも早い」と解説してくれた。

キノコの出が早いということは、姿を消すのも早い、ということだ。すると、アカモミタケも、クリタケも、早々と発生し終えたのか。アミタケは別の場所を見ていないので何とも言えないが、私の知る、限られた範囲では秋キノコは期待できない、ということだろう。

この秋は、北欧で見たキノコと合わせ、今年初めて採ったマメダンゴ(ツチグリ幼菌)などの回想にふけるしかないか。北欧の店で売られていたアンズタケはともかく、スウェーデンの「ヴァーサ号博物館」の庭園木の下生えと、ノルウェーの作曲家「グリーグの家」の芝生に生えていたキノコを写真に収めた。種類は分からない。

そして、もう2枚。フィヨルド観光の拠点・フロムのフェリー乗り場近くの芝生で、そのあとバスでたどり着いたヴォスの町で、キノコの写真を撮った。

ヴォスは宿泊地のベルゲンへ戻る途中の駅の町。駅の近くに、13世紀に建てられたヴァング教会がある。敷地内を見物した。

塀の内側に大きな木がある。その一本の根元に生えていたのが、これ=写真。スギタケ属だ。ナメコやヌメリスギタケが代表種で、このキノコも食菌だろう(ツチスギタケ?)。とはいえ、墓場のキノコには違いない。触れるのも、かじるのも遠慮した。

この仲間にヌメリスギタケモドキがある。何年か前、夏井川渓谷で立ち枯れの大木に大発生しているのと出合った。いったん車まで戻り、携帯したコウモリ傘を開いて逆さにし、柄の長い小鎌でばっさばっさとやったものだった。今では夢まぼろしのようだ。菌界にも異変が起きている?ということではないだろうが。

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